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雲の切れ間に輝くものは [on the park]

曇天03.jpg

颱風が来ているようで、東京も午後から雨になりました。

午前中は青空も2割程度あり、何度も雲の切れ間から陽が差していました。その雲の合間にできた青空のホールを飛行機が横切っていく影も見えました。

雲のネタは尽きません。
今日はその「雲の切れ間」を。

いつ誰が言い出したのかはわかりませんが、「雲の切れ間」という言い方がそうした現象を言い表すときの定番になっています。
「雲の合間」とか「雲のすき間」という言い方もあると思いますが、歌の場合「切れ間」という歌詞が多いような気がします。どれも三音で同じなのですが。

まずは吉田拓郎の1972年のサードシングルで、大ヒット曲。この歌で一般に認知された曲。♪僕の髪が 肩までのびて という歌詞が時代を感じさせる歌ですが、ほんわかラヴ・ソングは硬派にはいささか物足りなかったことも。

https://youtu.be/jJvnAL0L-oI

雲の切れ間から見えたのは「お日様さん」。

同じフォークでは翌年に、1974年のデビュー曲「白い冬」のヒットがある北海道出身のデュオグループ「ふきのとう」(山木康世・細坪基佳)のそのB面の「夕暮れの街」のなかに出てきます。

https://youtu.be/VF8i1CxpEPM

この歌の雲の切れ間から顔をのぞかせたのは、タイトルからも想像がつくように太陽ではなく「お月さま」。

雲の切れ間から見えたのは、太陽と月。とくれば当然星もあります。

https://youtu.be/4CZZslbCWaQ

RCサクセションの実質的なロック初ヒット曲。
「ぼくの好きな先生」からサウンド、ビジュアルとも、その変わりようにビックリした曲。
忌野清志郎が生きていたら、このコロナの時代、どういう発言・行動をしただろうか。とても興味のあることです。
今のミュージシャンはもっと存在意義を示してもいいと思うのですが。

最後にもう一曲、雲の切れ間を通り過ぎた流れ星をうたった歌を。1986年の演歌です。
見ていませんが、テレビ時代劇の主題歌だったような。


https://youtu.be/BHLTqI6dpSs

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ちぎれ、飛んで行くのも雲なんだ [on the park]

ちぎれ雲03.jpg


今日も薄日のさす曇天。

日曜日の公園ですが、ひところよりだいぶ人出が減ってきた。
みなさん公園より楽しいところへ出かけて行ったのでしょう。GO TO TRAVEL。

晴れていたらベンチに座ったり、芝生に寝転んだりして青空やゆっくり流れていく雲を眺めてみたい。多分いかなるドラマにも代えがたい映像を目撃できるのではないでしょうか。
しかし、雲の動きはのんびりゆったりばかりではありません。
颱風や低気圧が接近すれば、すごいスピードで空を横切っていきます。

そういうちぎれて飛んでいく雲もまた、熱く激しい青春や、波瀾万丈の人生の象徴として歌にうたわれています。そんな歌をいくつか。

先日亡くなられた守屋浩さんのブログでも書きましたが、「僕は泣いちっち」には、
♪遠い遠い東京の 空へ飛んでけ ちぎれ雲

とあります。
同じ頃よくラジオから聴こえていたのが「おけいちゃん」の愛称で人気のあった松山恵子の歌。「だから言ったじゃないの」とか「お別れ公衆電話」だとか、団塊以下の方々には懐かしい歌声。ステージ上でのどでかいスカートのドレスと握りしめたハンケチがトレードマークでした。そしてこんな歌がありました。

https://youtu.be/edpIEbp_WOQ

昭和35年の歌ですが、この頃はなぜかアンコブーム。アンコとは伊豆大島の伝統衣装を着た娘さんのことで、「アンコなぜ泣く」(藤島桓夫)、「島のアンコさん」(小宮恵子)、「東京の人さようなら」(島倉千代子)、「アンコ椿は恋の花」(都はるみ)と続きます。

「アンコ椿は恋の花」と同じ昭和39年に小ヒットしたのが、ハワイアンバンド出身の三島敏夫がうたった「面影」。

https://youtu.be/ARG4gQOlNPQ

石原裕次郎の「俺はお前に弱いんだ」の作者でもあり、自身でもうたっています。ハスキーヴォイスがどこか裕次郎に似ていて、人気がありました。

その裕次郎にも飛んでいく雲のうたがあります。
昭和32年から36、37年の裕次郎は映画が公開されれば大当たり、その主題歌もヒットと飛ぶ鳥を落とす勢いでした。裕ちゃんのトレードマークだった慎太郎刈りはもちろん、衣装のアロハの前を結んで着たり、少しガニ股ぎみに歩いたりと、若い男の憧れの存在で、いまで言うところのファッションリーダー。まだ幼なかったわたしの周囲にもそんな青年が何人もいました。
その裕ちゃんの33年の映画の主題歌

https://youtu.be/N5ar-KsNKrc

このタイトルは流行語にこそなりませんでしたが、この映画と歌をきっかけに、ニヒルを気取ってよく使われるていたような。「明日は明日の風がふかぁ」なんて。

同じ年の映画「風速四十米」でもちぎれ雲がでてきます。

https://youtu.be/hyZYchSEyjs

この映画は後日観たのですがよく覚えていません。イメージでは山小屋を守るために暴風雨に立ち向かう裕ちゃんとその父親役でボソボソしゃべる宇野重吉の印象が残っていましたが、ネットで調べてみると、山小屋ではなく建築中のビルだったり。この歳になると記憶もあいまいで。

雲がただ「ちぎれる」のではなく「ぶっちぎれる」ところが裕ちゃんらしい。

ついでですので日活アクションでもうひとつ。
赤木圭一郎の35年の作品「男の怒りをぶちまけろ」の同名主題歌にも。

https://youtu.be/JLC8hSVGguM

3年間で17本の映画に主演したトニーの11本めの作品。作曲は「銀座の恋の物語」の鏑木創、作詞はやはり裕ちゃんの「泣かせるぜ」の滝田順。

どれも古すぎるというクレームも聞こえてきそうなので、昭和40年代、50年代の歌もすこし。

まずはアイドル歌謡から。
スター誕生出身でアイドルのなかでは歌唱力があった岩崎宏美の昭和53年の歌。

https://youtu.be/4fsACsTP8nk

作詞・阿久悠、作曲・三木たかしの黄金コンビで、ほかに「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)、「乙女のワルツ」(伊藤咲子)、「コーヒー・ショップで」(あべ静江)、「若き獅子たち」(西城秀樹)などが。
三木たかし独特の唱歌テーストのメロディが心にしみます。

演歌では49年の五木ひろしのヒット曲。

https://youtu.be/FEJAZPQo6FI

この歌の作曲は古賀政男で、いわゆる古賀メロディー。
またこの歌は曲は同じで詞のみが変わるという3回目のリメイク盤。
はじめは昭和11年の「さらば青春」で藤山一郎がうたい、詞は「人生劇場」や「緑の地平線」で知られた佐藤惣之助。2度目は昭和30年の「都に花の散る夜は」で青木光一がうたいました。詞は「高校三年生」が代表曲の丘灯至夫。
そして「浜昼顔」は寺山修司の作詞。

当然詞は異なりますが、「さらば青春」では1番、2番、3番とも♪さらば青春 雲は行く
という詞でおわっています。


最後に40年代のフォークから一曲。
♪空に浮かぶ雲は いつかは何処かへ飛んで行く
という46年に発売されたアルバムの表題曲はとても刺激的だった。
いささか長いですけどライブ盤で。

https://youtu.be/RRlSt_bQYDU

♪見上げてごらん 空と雲を
って思うけど、まぁ、最近の若者は、よほど爆音のヘリコプターでもやって来ない限り空なんか見上げることはないのかも。ほとんど俯いていますから。若者だけではない、おっさんおばさん、いやおじいさんおばあさんまで一様に俯いて一心になにかをご覧になって歩いています。もったいない。

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青春の雲は流れるのだ [on the park]

流れる雲.jpg


きょうは曇天でした。
ときおり雲の切れ間や薄い部分から陽がさしていましたが、暑くもなく寒くもなく過ごしやすい午後でした。
公園の彼岸花は満開で、金木犀の香りもここちよく、まさにこの世は秋。コロナの不安は残りますが。

きょうも雲のはなし。

いわし雲やひこうき雲など雲のかたちもよくうたわれますが、雲の「様子」「動き」も流行歌ではよく耳にします。

なかでも多い(多分)のが「流れる」。
「雲が流れる」「流れる雲」「雲の流れに」などとつかわれています。

先日このブログで書いたように、山口百恵の「イミテーション・ゴールド」でも、
♪ながれる雲さえ 季節の色だと

とうたわれていますが、こういう流れる雲をバックグラウンドにする歌はJPOPでも少なくないのではないでしょうか。調べたわけではありませんが。

つまり「流れる雲」はいつの時代でもつかわれる常套句といえなくもありません。

そこで今回は昭和、それも30年代に限っていくつかピックアップしてみました。

まずは♪ああ青春は 流れる雲の 彼方に とうたう33年のこの歌。

https://youtu.be/yS9IxIo-U1A?si=vaGGm9v-jV1F5UHa

「次男坊鴉」や「二十歳の詩集」のヒット曲がある白根一男の青春抒情歌。
が消されてしまったので東京放送合唱団のコーラスを。東京放送ってTBSのことではなくNHK専属のローカル(東京)合唱団のことだそうです。いまはあるのかどうなのか。

https://youtu.be/H7P9x6OjAhU

作詞の猪又良は、大ヒット曲「大利根無情」(三波春夫)もてがけ、ほかではちあきなおみの「新宿情話」が。
作曲の上村晴男はほかでは映画・日活系(テイチク)でいくつかつくっているようで、ヒット曲とまではいかなかったようですが、笹森礼子の「花占い」があるし、石原裕次郎や浅丘ルリ子・浜田光夫らに曲を提供しています。

子どもの頃によく耳にしたなつかしい歌で、いまでも「歌声喫茶」のようなところで、「山の歌」として合唱されているようです。

映画といえばこの歌。

https://youtu.be/ruhVC3gyfE4

昭和34年の松竹映画で、監督は木下恵介。津川雅彦、川津祐介、石浜朗、山本豊三、小坂一也といった当時のイケメンを揃えた青春群像。有馬稲子もね。

この歌が主題歌で、曲は映画音楽もつとめた木下忠司。近年亡くなりました。たしか100歳を越えていたのでは。詞は兄の監督。うたったのは前年の「喜びも悲しみも幾歳月」(詩曲とも木下忠司)に続いての若山彰。木下忠司ではやはり映画主題歌の「ここは静かなり」(岡本敦郎)でも、♪はるばると 雲が行く 青い空青い空 という歌詞があります。


「惜春鳥」ではいきなり♪流れる雲よ と出てきます。
2番では「流れる歌」、3番では「流れる春」とすべてのものが変化をとげていく哀れさをうたっています。青春も。

30年代も後半になると、橋幸夫・舟木一夫・西郷輝彦を中心としたまさに「青春歌謡」ブームとなります。
もちろんここでも雲は流れていきます。

https://youtu.be/Os0dRNwG9mw

いまとなってはストーカーに思われかねない38年の歌ですが、当時はごくあたりまえのトーチソングでした。作詞作曲は「からたち日記」(島倉千代子)、「仲間たち」(舟木一夫)のコンビ、西沢爽と遠藤実。
梶光夫はテレビドラマの主題歌「大空にひとり」や高田美和とのデュエット「アキとマキ」、「わが愛を星に祈りて」もよく聴いていました。

長くなりそうなので、38年と39年の流れる雲をたて続けで。

https://youtu.be/J1KMHAelJyw

https://youtu.be/dUIEeDNSfR8?si=jdPvSeUWERoDLqKR

「行雲流水」は古き日本人の生き方・考え方をあらわしていますし、♪ながれる雲と にしひがし とうたわれているように、若者に限らず、青い春にはなぜか旅情をさそわれてしまうのが「流れる雲」なのでは。

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ヒコーキ雲は淋しいんだ [on the park]

ヒコーキ雲03.jpg


今日は午前中に外出したのですが、見上げると雲ひとつない青天でした。なんとなく物足りなかった。なにを期待していたのか。

きのうは「いわし雲」の歌をさがしてみましたが、その形でいうと絵になる(昨今、映えるというそうですが「はえる」ではなく「バエル」だとか。コバエを連想してしまいます)のが飛行機雲。

飛行機の航跡に残る雲ですね。
青空に一本あるいは二本と続く白い線。たしかに詩が生まれそうなヴィジュアルです。
やがて輪郭がボヤケ消えてしまうというのも、儚くてよろしいです。

JPOPでは「飛行機雲」あるいは「ヒコーキ雲」という歌がいくつかあるようですが、すべて聴いたことのない歌ばかりであり、そのミュージシャンも初耳アワーばかり。

タイトルで唯一知っているのは、かの有名な「ひこうき雲」だけ。

https://youtu.be/SlXL1A7rrxo

これは年配者ばかりでなく、若い人の中にも知っている人が少なくないのではないでしょうか。
荒井由実のデビューアルバムの同名曲でもありますが、その前に発売はされなかったけれど雪村いづみがレコーディングしていたということは、今回はじめて知りました。聴いてみたかったなぁ。

これほど「バエル」ひこうき雲ですから、多くの歌にうたわれているのだろうと想像しますが、ほとんど知らないか、記憶の彼方です。

唯一知っているのが、
♪ひとり目ざめて あくびして涙ふいた 
 夏の空は ヒコーキ雲

という森田童子の「G線上にひとり」。

https://youtu.be/3lG8U4DJ2lU

ユーミンの「ひこうき雲」がさみしいけれど、どこか青空ののような明るさがあるファンタジーなのに対して、森田童子の「ヒコーキ雲」は夏の青空がネガに反転してしまったような「私小説」。

ふたつの曲に共通しているのが「死」。
その違いはユーミンの歌が「過去の死」なのに対し、森田童子がうたうのはこれから先にくるかもしれない「未来の死」ということ。二つの歌の淋しさには乾湿の差があります。

近年亡くなりました不可思議なシンガーソングライター森田童子には「淋しい雲」という歌もあります。不可思議でいいんですね。

https://youtu.be/OB1WPKhgD4E

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いわし雲 [on the park]

ウロコ雲①.jpg


きょうはきのうほど晴れわたってはおらず、青空はわずかで雲の多い空模様でした。
それでも重なる雲の一部に秋を感じさせる「鰯(いわし)雲」らしきかたちが見受けられました。

いわし雲はイワシの群れのように見えるからそう命名されたようですが、個人的にはそうは見えない。別名の「ウロコ雲」なら納得できますが。
ほかにも「さば雲」「羊雲」という別称があるようですが、詩ごころがないのか、そうは見えないなぁ。とくにひつじの群れっていわれても、ちょっと……。

それでも呼称としては「いわし雲」がなんとなく耳障りがよく、使われる頻度もたかいのではないでしょうか。
いわし雲をうたった秋の歌もいくつかあるようです。


タイトルがずばり「いわし雲」をうたっているのはNSP。

https://youtu.be/z1xlj_eXrxs

岩手県出身のフォークトリオで、元は「ニュー・サディスティック・ピンク」とフルネームで名乗っておりました。そしてその詞・曲のほとんどは夭折した天野滋によるもの。
最大のヒット曲「夕暮れ時はさみしそう」に代表されるように独特の歌の世界はグレープなどと同様「抒情フォーク」なんて呼ばれていました。

とりわけNSPの歌はその主人公である少年が独特で、のちに言われるようになった「草食系男子」を先取りしていました。

この「いわし雲」は知り合って二度目の秋を迎える彼女との幸福感をうたっているのでしょうが、曲調が陰で、もしかして彼女って別れちゃったの? まさか死んじゃったの? などと思わされてしまいます(抒情フォークってそういう傾向がありますから)。でもいい歌です。


ほかにいわし雲がうたわれているのは、フォークでいえば嫁ぐ娘が戦死した父親に報告をするという、ある意味時代を感じさせる歌「戦争は知らない」。

元は坂本スミ子がうたったようですが、カルメン・マキやフォーク・クルセダースでよく流れていました。本田路津子もいい。すきな声です。詞は寺山修司で「父親殺し」は常套?

https://youtu.be/2HlyZmwWqYQ

歌謡曲では狩人の「アメリカ橋」。

https://youtu.be/y4YkAoYeKP8

♪気圧配置も秋 いわし雲が窓に見えてた
「気圧配置」なんてプロの作詞かではまず出てきにくい言葉をつかったのは元放送作家の奥山侊伸。オリジナルは湖東美歌。

森昌子の「彼岸花」のなかにも
♪鰯雲流れ 夜が来て
とうたわれてます。これも「アメリカ橋」同様、別れた元恋人を偲ぶ「思い出歌」。
作詞は阿久悠。作曲はヒデとロザンナのヒデ。

https://youtu.be/SZRfVcq_lAk

森昌子といえば同期の山口百恵にもあります。
こちらは「羊雲」。

かの有名曲「いい日旅立ち」のなかで、
♪いい日旅立ち 羊雲をさがしに
とうたっています。

https://youtu.be/SgJriXB6-1Y

「いわし雲」ではありませんが、山口百恵では
♪ながれる雲さえ 季節の色だと 「イミテーション・ゴールド」
♪太陽がいま たくさんの雲したがえて 「夢先案内人」
で「雲」が出てきます。

いわし雲といえば思い出すのが映画「鰯雲」。
昭和30年代の成瀬巳喜男作品で、それから10数年のちに銀座にあった並木座で観ました。
当時周囲は小津安二郎を絶賛しておりましたが、20代前半の青年には小津はシブすぎて、同じ小市民映画でもよりエンターテインメント色の濃かった成瀬作品のほうが好きでした。とりわけ「浮雲」はすばらしくあの作品で高峰秀子のファンになりました。
小津も「東京暮色」は好きだった。有馬稲子がきれいだったしね。結局女優かって話ですが、話が長くなりそうなので、映画の話はいずれまた。

上に載せた写真は今日の雲ではなく、以前撮ったものです。
今年も冬になる前に必ず「いわし雲」が見られるはずで、見ることができるのはせいぜいあと10回ぐらいなので、今年もしっかり目で見て楽しみたいと思います。

最後に久しぶりに聴いたNSPの歌が沁みましたのでもう一曲。
「いわし雲」とは関係ありませんが、もうすぐ冬ですので。

https://youtu.be/S20rxkkFxnw

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雲に乗りたい [on the park]

雲20093001.jpg


久しぶりの晴れ。もはや秋晴れといってもいいんでしょうね。

空を見上げると一面の青空に白いすじ雲がほどよく点在しておりました。きれいだな。

そのあまりの即興芸術性にしばし空を仰いでおりました。
おそらく今日は何万人、何十万人という人が青い空と白い雲に見とれていたのではないでしょうか。
何人かはついでにUFOなどを目撃してたり。それはともかく。

いつものように脳内オーディオより歌が流れておりました。

雲が出てくる歌は無数にあります。おそらく。
JPOPはほとんど知りませんが、多分かなりあるんんじゃないでしょうか。

脳内電蓄から流れてきたのは、
♪雲に乗りたい やわらかな雲に
という黛ジュンの「雲に乗りたい」。1960年代後半の歌謡ポップス。

https://youtu.be/pTwR1P9XVvY

多分、タイトルになっていて、なおかつ歌い出しにでてくるので「脳内検索」に最速でひっかかったのでしょう。

昭和でいうと40年代の半ば。社会は混とんとしておりましたが、流行歌の世界は充実しておりました。
GSブームは終焉の気配で、歌謡界を席巻したのがその黛ジュンをはじめ、最近亡くなった弘田三枝子、いしだあゆみ、奥村チヨ、渚ゆう子などの歌謡ポップスの女神たち。
そして、それまで主流だった歌謡曲も健在で藤圭子が大ブレイク。やがて都はるみや森進一などの歌もふくめ「演歌」と呼ばれるようになっていきました。

くわえて岡林信康をはじめとする和製フォークが台頭してきて、さらには「イメージの詩」で吉田拓郎が登場し、メッセージがあってもなくてもとにかく自作自演のフォークソングというブームがやってきておりました。
ファッションはというと若い女の子はミニスカート、男は長髪にジーンズのラッパズボンというのが主流でした。そんな時代でした。

話を戻しまして、黛ジュンは「雲にのりたい」の前年に「天使の誘惑」をリリースしこの歌でレコード大賞を獲っています。

https://youtu.be/GCl72iMqQh8

この歌のなかにも
♪幸せはオレンジ色の 雲の流れに流れて消えた
ほか3度にわたって「雲」というフレーズがでてきます。

あの頃から半世紀が過ぎてしまったわけですけれど、世の中ずいぶん変わってしまいました。歌も人も。あたりまえだね。
変わらないのは青い空と白い雲だけだ、なんて己の人生同様たそがれております。

同じころ聴こえていた「雲」の出てくるフォークソングをひとつ。

https://youtu.be/gV42FVJxK2Y



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雨の公園 [on the park]

blueeyes.jpg

コロナに大豪雨、たいへんな、そして不気味な2020年の夏がはじまってます。

それでも今日(日が替わったので昨日ですね)、いつものように仕事場へ向かいました。

ビニール傘を差しながら、自販機で最近気に入っているリンゴジュースを買って、いつもの公園の中へ。
コロナ自粛以来、公園の人出がグンと増えました。ジョガーにウォーカーに犬の散歩に子供や車椅子のお年寄りの付き添い。
そりゃそうだよなぁ、自粛しろっていわれてもずっと家の中にいるわけにはいかないもの。
で、出かける所といえば近所のスーパー(コンビニは長居しずらい)か公園しかないものなぁ。

でも、こんな日はほとんど人の姿が見えません。
とりわけ今日のような小雨はストレスが少なく気分がいい。マスクだってはずしてしまいます。
無人の野球場やテニスコートも休息しているような佇まいがホッとさせてくれます。また雨露に濡れた木立ちや青草の匂いも五感を和ませてくれます。

そうなるとどうしても、この心地よい空間の中でさらにうるおいを与えてくれる音楽が聴きたくなるのです。

雨の公園。

雨の歌は驚くほど多い。公園の歌はそれほででもない。

最近のJPOPは知りませんが、公園の歌ということで思いつくのはフランク永井の「公園の手品師」と友部正人の「公園のベンチで」。

前者は秋の公園で失恋した男が、ベンチに座りながら銀杏の大木から降り注ぐ落葉をみあげながら「まるで手品師がカードをまき散らしいるようだなぁ」などとたそがれている様子をうたった歌謡曲で、作詞家・宮川哲夫の代表曲のひとつ。

後者は、「一本道」の続編のような、その日暮らしの若者が、「さすらい」への憧憬を抑えきれず見果てぬ夢の世界を彷徨うという70年代ならではの歌。

でも、どちらも公園に雨は降っておりません。
「九月の雨」の太田裕美が通ったのは公園ではなく、公園通りだったし。

ほかにもあるのかもしれませんが、「雨の公園」で好きな歌(それしか知らない)といえばこの歌。

https://youtu.be/hQPhwA9KecI

フォークのなかでも地味な歌ですがファンは少なくない。
素晴らしいのは詩的な詞。
つくったのんは今年の3月に亡くなった劇作家の別役実。作詞などほとんどしない人のようで、ほかにやはり六文銭の「お葬式が行く」という歌があるようだが、YOU-TUBEにはなかった。いつか聴いてみたい。
また、そのポエムに小室等のモノトーンの曲がとても合う。

といいつつも、実は雨の公園にふさわしいこの歌を思いついたのは夕刻、仕事を終えて自宅に帰ってから。

午前中、小雨の降る公園の中で悦にいっていたわたしの腦内蓄音機より聞こえてきたのは別の歌。

https://youtu.be/kPydlDfwiXA

カントリーでは知られた歌で、邦題は「雨の別離」。
よくある別れ歌で、また雨によって涙をさらに増幅させるというこれまたよくある詞で、いってみればポップミュージックの王道をゆく歌。

ただこの歌、雨は別れの「大道具」として出てきますが、そのロケーションが出てこない。
もちろんパークという単語などどこにも出てこない。

夕暮れの雨の中で、青い瞳の恋人と涙の別離をするというストーリーで、その場面が屋外であることはたしかなのだが、街角なのか、川辺なのか、停車場なのか具体的には全然うたわれていない。
それでも、昔この歌をはじめて聴いたときからわたしには、ふたりが立ち尽くしていたのは公園の木陰、というイメージが定着していました。

たしかに朝通った公園(大きな公園です)は、その片隅で誰かと誰かが別れの劇を演じていても少しもおかしくないロケーションではありました。そのBGMにこの歌はふさわしかった。

70年代にウィリー・ネルソンでヒットしましたが、ハンク・ウィリアムズからエルヴィス・プレスリーまで、ディーバならオリビア・ニュートン・ジョンからシャナイア・トウェインまで、ほんとに多くのヴォーカリストに愛された美しい歌です。

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