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乗り換えの 電車来れども 福は来ず [on the train]

晩秋03.jpg


きのうに続き、きょうも東京は暖かい日でした。
きのうは仕事場と家との往復で外へ出ただけだったので、きょうは少し遠出してみようと。
もはや冬まじかという思いだったので厚手の上着を着てでかけたため、駅へ向かう途中いささか汗ばんだり。
それにしてもいつもより人出が多いと思ったら、きょうは文化の日、祝日でした。毎日が仕事と言えばそうだし、毎日が日曜日ともいえる。そんなわけですから、曜日の感覚も月日の感覚もうすれるという昨今。まして祝日なんて覚えているわけがない。

ちょっとした買い物もあったので、今日は私鉄を乗り継いでローカル線で郊外へ。
乗り換えのM駅で、電車を待ちながらホームの向こうに広がる畠を見ていたら、昔のことを思い出しました。

20代の頃、ひとなみにガールフレンドができまして、休日になると月に何度か彼女の棲む郊外の家へ通っていたことがありました。
やはり乗り換えの駅があり、ホームからは畠が見えていました。菜の花がたくさん咲いていて、モンシロチョウやモンキチョウがたくさん飛んでいました。その光景は今でも思い描くことができます。

間がわるいとその乗換駅で30分ちかく待たされたこともありました。
その畠の彼方に2階立てのアパートが2棟並んでたっていました。その右側の当時でもくすんだ古アパートの2回の手すりに看板が設えてあって、その看板には「〇福荘」というアパート名が書かれておりました。実は頭の「〇」というのは、そのアパートの庭の大きな木の生い茂った枝葉で隠されていて読めなかったのです。
ですから、その乗換駅で電車を待つあいだ、そのアパートの看板を眺めながら、あの隠れている文字はなんなんだろう、なんて考えていたものです。

いちばんありそうなのは、「幸福荘」。でも「七福荘」もある。あまり聞かないけれど「万福」や「来福」だってなくはない。ひとの苗字なら「今福」とか「伊福」とか。などと電車が来るまでの暇つぶしに考えたものでした。

残念ながらそのガールフレンドとは1年も続きませんでした。その乗換駅での冬の記憶がないので、おそらく半年足らずで終ってしまったのだと思います。ですから、その乗換駅に立つこともなくなってしまいました。
その当時は、それ以上考えませんでしたが、もし彼女ともう少し長く、たとえば1年とか2年とか続いていれば、あのアパートの庭の木立ちの葉が散る季節になり、「〇福荘」の正体が判明していたかもしれません。などと思ったのは、それからずっとあとのこと。

とにかくわたしと彼女に福は来なかったのですから、わからないままで良かったのかもしれません。

あの時の乗換駅にはあれから行っておりませんが、たまに利用するこのM駅で電車を待っているとたまにそのことを思い出すのです。

もう少しヴァイオリンの歌を。

歳並みに記憶がポロポロと抜け落ちていくのは仕方ありません。と同時に過去のメモリーを検索し抽出する力も老化によってその機能が劣化しているのがわかります。やだやだ。
ですから、昔よく聴いた歌や、好きだった歌を思い出すことがけっこう至難。
そんななかでも、なぜか検索に引っかかってくる歌もなくはありません。

ヴァイオリンが印象的な歌もたくさんあったはずなんですが、かなり忘れております。そんななかかろうじて検索で脳内蓄音機で再生された70年代、80年代の歌をいくつか。
まずは1975年の歌。当時はフォークに代わってニューミュージックが主流になりつつある時代で、この歌もそう。

https://youtu.be/KOmqSISgG6o

「想い出まくら」はシンガーソングライターの小坂恭子の作詞作曲の失恋歌。
つたない記憶では、おなじ苗字の小坂明子の「あなた」やボサノバが印象的だった丸山圭子の「どうぞこのまま」などが流れておりました。
イントロから印象的なヴァイオリンが流れる編曲は福井峻。
福井峻はほかに「この空を飛べたら」(加藤登紀子)、「わかれうた」(中島みゆき)共同、木曽は山の中(葛城ユキ)、「夕暮れ時はさみしそう」「雨は似合わない」(N.S.P.)、あるいはチューインガムの作品など、かずかずのニューミュージックを担当しました。

つぎは少し戻って1971年の歌。この歌もラジオからよく流れていました。

https://youtu.be/Av20x26yrFI

加藤登紀子の「愛のくらし」。この歌もイントロのヴァイオリンが耳に残ります。作曲はタンゴ楽団で知られるアルフレッド・ハウゼで、加藤登紀子のために作曲したので、カヴァー曲ではない。詞は加藤登紀子で、編曲は日本を代表するアレンジャー・馬飼野俊一。
その名作品をいくつかあげてみると、「襟裳岬」(森進一)、「石狩挽歌」(北原ミレイ)、「草原の輝き」などアグネス・チャンの数々、「恋する夏の日」など天地真理の数々、「若草の髪飾り」ほかチェリッシュの数々。チェリッシュのヒット曲のほとんどは作曲も担当しています。
そのほか「北酒場」(細川たかし)、「愛情物語」(ヒデとロザンナ)、「笑ってゆるして」(和田アキ子)、「想い出迷子」(チョー・ヨンピル)、「戦争を知らない子供たち」(ジローズ)、「池上線」(西島三重子)など枚挙にいとまがありません。
YOU-TUBEはオリジナルとはちがいますが、オリジナルもイントロから力強いヴァイオリンの響きが聞こえます。

さいごはタイトルからしてヴァイオリンが聞こえてきそうな歌。

https://youtu.be/ACRSd2OGfGY

「マイ・クラシック」は1984年のヒット曲で。これもラジオからよく流れておりました。
作曲、歌唱はシンガーソングライターの佐藤隆。作詞は佐藤の曲のほとんどを担当した大津あきら。
佐藤隆は、ほかにも高橋真梨子に提供した「桃色吐息」とか、「カルメン」とか「希望商人」とかヨーロピアンで、格調高い独特のスタイルをもったミュージシャンでした。
編曲は彼と、ハプニングス・フォーのチト河内の共同。

作詞の大津あきらにもふれておきますと、元々はつかこうへい劇団で音楽を担当。作詞家としては1981年に中村雅俊の「心の色」がヒット、翌年には高橋真梨子に「for you …」、86年には杉山清貴に「さよならのオーシャン」を提供。
ほかに「風のエオリア」(徳永英明)、「東京HOID ME TIGHT」(ケイ・ウンスク)、「二十三夜」(堺正章)などをはじめ、矢沢永吉にも多くの詞を提供している。
1997年に47歳という若さで亡くなっています。奥さんがやはり劇団の根岸季衣でした。

おまけは、やはりイントロからヴァイオリンの調べが印象的で、当時のエキゾチックブームのなかで大ヒットとなった久保田早紀の「異邦人」を。この歌も、ヴァイオリンを上手にフュチャしておりました。でも「おまけ」なのでカヴァーで動画を。
この歌をカヴァするシンガーはけっこういますが、今回は一時よく聴いていたEGO-WRAPPIN'で。ヴァイオリンはでてきませんが。

https://youtu.be/M9RnnrsSH8s

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