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死ぬまでだましてほしかった [歌謡曲]

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「暑い、アツい、あつい」
こんな状態があとふた月以上続くと思うと、それでなくてもスピードアップしている「時の流れ」をさらにギアアップしたくなる。すぐに秋は来るけれど死期も近づく。

昨今の興味は大谷をはじめとした大リーグと、メインキャストのいない大相撲。相撲はよく言えば群雄割拠の戦国時代で取組じたいは面白いけど、人気を煽るにはやはりスター不足。いでよ超力士。
ちなみに優勝予想は、きょう霧島をやぶった豊昇龍かな。白桜鵬の勢いも凄いけど。でも今場所だけは北勝富士希望。

就寝前はあいかわらずYOU-TUBEでミュージックを。
最近は邦楽中心。といっても新しい歌は、Jポップはもちろん演歌も聞かないのでまるで知らない。もはや脳内メモリーが飽和状態で新曲は受け付けないのかも。たまに初耳アワーで新曲(自分にとっての)をみつけるけれど、多分、なにかが上書によって消去されているのでしょう。

ここのところ聴いているのは昭和歌謡。安心ですからね
それも元歌は少々飽きもきているので、カヴァで。ほとんどがバリバリ現役の演歌歌手。
歌の上手な人が多いですね。そりゃそうでしょう、カヴァアルバムなんかをリリースするのは「歌上手」でなければ無理。1曲2曲ならばなんとかなっても10曲あまりをこなすには天性の歌マインドがなくては。

きのう見たのはクラウンレコードの川野夏美。1980年、大分県生まれだそうです。

https://youtu.be/n6QXyZCGWjY

「黒百合の歌」は昭和28年に公開された映画「君の名は 第二部」の主題歌で、オリジナルは「君の名は」や「夜が笑ってる」をうたった織井茂子。ソングライトはこのシリーズのコンビである古関裕而(曲)と菊田一夫(詞)。
28年といえば、敗戦から8年を経たとはいえ日本はまだまだ貧しかった。その3年前に当時の大蔵大臣・池田勇人が「貧乏人は麦を食え」(実際はもっと柔らかい言い回し)と発言して物議をかもし、以後政治家の横暴・傲慢さのたとえとして時どき引用されている。それから3年経ち、28年の食糧事情はといえば相変わらずヤミ米が流通し、外米(輸入米)さえ高騰するありさまで、庶民の塗炭の苦しみはさほど改善されていなかった。
当時の大手新聞のコラムには「消費者がもっと麦類を食べる腹を決めれば」とか「麦はいやだなどと贅沢なことはいえた義理ではない」と書かれている。池田勇人には先見の明があったということで、そのことの評価はあまり聞かない。

「黒百合の歌」はプロに人気のナツメロのひとつで、カヴァしている歌手も多い。またこの歌は、鉄火というか、今風でいえばやさぐれたような気の強い、略奪愛もいとわない女のうたで、そうしたフンイキがよくでていたのが川野夏美だった。

つぎは昭和39年というから、もはや戦後ではないどころか、経済成長の加速によってわれわれ下々の家庭もそのオコボレを授かり、「豊かさ」なんて言葉がつい口から出るようになった時代。そんなころ巷にながれていた女歌。

https://youtu.be/Qyys5YHv4R8

シンプルに言うと失恋ソングで、曲は戦前から脈々と受け継がれている和製ブルース。オリジナルの西田佐知子はその特性であるノンビブラートのうたい方が、シャープでベタベタ感がなく、「それでも生きていかなくちゃ」という戦後の女のしたたかさを感じさせた。
彼女の最大のヒット曲は35年の「アカシヤの雨がやむとき」で、ほかに「エリカの花散るとき」も含めて、詞・曲は水木しげると藤原秀行。
「泣いた女がバカなのか」とか「死ぬまでだましてほしかった」などという女の自虐のセリフはこのころから流行りのようにつかわれるようになった。そう言わせている(作詞家)のは男なんだけれど。

最後は、もはや経済成長もピークをむかえ、「昭和元禄」などと呼ばれる時代にさしかかった昭和45年、つまり1970年代に突入した年の歌。

https://youtu.be/ZKTyAt8Iwjk

オリジナルの渚ゆう子は元ハワイアンシンガーで、この年の2月、ベンチャーズ作曲の「京都の恋」で大ブレイク。同じ年の12月にベンチャーズ提供第二弾としてリリースしたのがこの歌。もちろんこちらもヒット。作詞はいずれも林春生で、ほかに「白いギター」ほかチェリッシュの一連のヒット曲や欧陽菲菲の「雨の御堂筋」をてがけている。
ちなみにベンチャーズ作曲の歌謡曲としては「京都慕情」に先がけて「二人の銀座」(山内賢・和泉雅子)や「北国の青い空」(奥村チヨ)があった

オマケは「東京ブルース」の前年にヒットした、昭和30年代最高の歌謡ポップスを前田有希とのデュオで。

https://youtu.be/PPRNNJydZAU

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