ちぎれ、飛んで行くのも雲なんだ [on the park]
今日も薄日のさす曇天。
日曜日の公園ですが、ひところよりだいぶ人出が減ってきた。
みなさん公園より楽しいところへ出かけて行ったのでしょう。GO TO TRAVEL。
晴れていたらベンチに座ったり、芝生に寝転んだりして青空やゆっくり流れていく雲を眺めてみたい。多分いかなるドラマにも代えがたい映像を目撃できるのではないでしょうか。
しかし、雲の動きはのんびりゆったりばかりではありません。
颱風や低気圧が接近すれば、すごいスピードで空を横切っていきます。
そういうちぎれて飛んでいく雲もまた、熱く激しい青春や、波瀾万丈の人生の象徴として歌にうたわれています。そんな歌をいくつか。
先日亡くなられた守屋浩さんのブログでも書きましたが、「僕は泣いちっち」には、
♪遠い遠い東京の 空へ飛んでけ ちぎれ雲
とあります。
同じ頃よくラジオから聴こえていたのが「おけいちゃん」の愛称で人気のあった松山恵子の歌。「だから言ったじゃないの」とか「お別れ公衆電話」だとか、団塊以下の方々には懐かしい歌声。ステージ上でのどでかいスカートのドレスと握りしめたハンケチがトレードマークでした。そしてこんな歌がありました。
https://youtu.be/edpIEbp_WOQ
昭和35年の歌ですが、この頃はなぜかアンコブーム。アンコとは伊豆大島の伝統衣装を着た娘さんのことで、「アンコなぜ泣く」(藤島桓夫)、「島のアンコさん」(小宮恵子)、「東京の人さようなら」(島倉千代子)、「アンコ椿は恋の花」(都はるみ)と続きます。
「アンコ椿は恋の花」と同じ昭和39年に小ヒットしたのが、ハワイアンバンド出身の三島敏夫がうたった「面影」。
https://youtu.be/ARG4gQOlNPQ
石原裕次郎の「俺はお前に弱いんだ」の作者でもあり、自身でもうたっています。ハスキーヴォイスがどこか裕次郎に似ていて、人気がありました。
その裕次郎にも飛んでいく雲のうたがあります。
昭和32年から36、37年の裕次郎は映画が公開されれば大当たり、その主題歌もヒットと飛ぶ鳥を落とす勢いでした。裕ちゃんのトレードマークだった慎太郎刈りはもちろん、衣装のアロハの前を結んで着たり、少しガニ股ぎみに歩いたりと、若い男の憧れの存在で、いまで言うところのファッションリーダー。まだ幼なかったわたしの周囲にもそんな青年が何人もいました。
その裕ちゃんの33年の映画の主題歌
https://youtu.be/N5ar-KsNKrc
このタイトルは流行語にこそなりませんでしたが、この映画と歌をきっかけに、ニヒルを気取ってよく使われるていたような。「明日は明日の風がふかぁ」なんて。
同じ年の映画「風速四十米」でもちぎれ雲がでてきます。
https://youtu.be/hyZYchSEyjs
この映画は後日観たのですがよく覚えていません。イメージでは山小屋を守るために暴風雨に立ち向かう裕ちゃんとその父親役でボソボソしゃべる宇野重吉の印象が残っていましたが、ネットで調べてみると、山小屋ではなく建築中のビルだったり。この歳になると記憶もあいまいで。
雲がただ「ちぎれる」のではなく「ぶっちぎれる」ところが裕ちゃんらしい。
ついでですので日活アクションでもうひとつ。
赤木圭一郎の35年の作品「男の怒りをぶちまけろ」の同名主題歌にも。
https://youtu.be/JLC8hSVGguM
3年間で17本の映画に主演したトニーの11本めの作品。作曲は「銀座の恋の物語」の鏑木創、作詞はやはり裕ちゃんの「泣かせるぜ」の滝田順。
どれも古すぎるというクレームも聞こえてきそうなので、昭和40年代、50年代の歌もすこし。
まずはアイドル歌謡から。
スター誕生出身でアイドルのなかでは歌唱力があった岩崎宏美の昭和53年の歌。
https://youtu.be/4fsACsTP8nk
作詞・阿久悠、作曲・三木たかしの黄金コンビで、ほかに「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)、「乙女のワルツ」(伊藤咲子)、「コーヒー・ショップで」(あべ静江)、「若き獅子たち」(西城秀樹)などが。
三木たかし独特の唱歌テーストのメロディが心にしみます。
演歌では49年の五木ひろしのヒット曲。
https://youtu.be/FEJAZPQo6FI
この歌の作曲は古賀政男で、いわゆる古賀メロディー。
またこの歌は曲は同じで詞のみが変わるという3回目のリメイク盤。
はじめは昭和11年の「さらば青春」で藤山一郎がうたい、詞は「人生劇場」や「緑の地平線」で知られた佐藤惣之助。2度目は昭和30年の「都に花の散る夜は」で青木光一がうたいました。詞は「高校三年生」が代表曲の丘灯至夫。
そして「浜昼顔」は寺山修司の作詞。
当然詞は異なりますが、「さらば青春」では1番、2番、3番とも♪さらば青春 雲は行く
という詞でおわっています。
最後に40年代のフォークから一曲。
♪空に浮かぶ雲は いつかは何処かへ飛んで行く
という46年に発売されたアルバムの表題曲はとても刺激的だった。
いささか長いですけどライブ盤で。
https://youtu.be/RRlSt_bQYDU
♪見上げてごらん 空と雲を
って思うけど、まぁ、最近の若者は、よほど爆音のヘリコプターでもやって来ない限り空なんか見上げることはないのかも。ほとんど俯いていますから。若者だけではない、おっさんおばさん、いやおじいさんおばあさんまで一様に俯いて一心になにかをご覧になって歩いています。もったいない。
2020-10-04 21:36
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