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雨の公園 [on the park]

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コロナに大豪雨、たいへんな、そして不気味な2020年の夏がはじまってます。

それでも今日(日が替わったので昨日ですね)、いつものように仕事場へ向かいました。

ビニール傘を差しながら、自販機で最近気に入っているリンゴジュースを買って、いつもの公園の中へ。
コロナ自粛以来、公園の人出がグンと増えました。ジョガーにウォーカーに犬の散歩に子供や車椅子のお年寄りの付き添い。
そりゃそうだよなぁ、自粛しろっていわれてもずっと家の中にいるわけにはいかないもの。
で、出かける所といえば近所のスーパー(コンビニは長居しずらい)か公園しかないものなぁ。

でも、こんな日はほとんど人の姿が見えません。
とりわけ今日のような小雨はストレスが少なく気分がいい。マスクだってはずしてしまいます。
無人の野球場やテニスコートも休息しているような佇まいがホッとさせてくれます。また雨露に濡れた木立ちや青草の匂いも五感を和ませてくれます。

そうなるとどうしても、この心地よい空間の中でさらにうるおいを与えてくれる音楽が聴きたくなるのです。

雨の公園。

雨の歌は驚くほど多い。公園の歌はそれほででもない。

最近のJPOPは知りませんが、公園の歌ということで思いつくのはフランク永井の「公園の手品師」と友部正人の「公園のベンチで」。

前者は秋の公園で失恋した男が、ベンチに座りながら銀杏の大木から降り注ぐ落葉をみあげながら「まるで手品師がカードをまき散らしいるようだなぁ」などとたそがれている様子をうたった歌謡曲で、作詞家・宮川哲夫の代表曲のひとつ。

後者は、「一本道」の続編のような、その日暮らしの若者が、「さすらい」への憧憬を抑えきれず見果てぬ夢の世界を彷徨うという70年代ならではの歌。

でも、どちらも公園に雨は降っておりません。
「九月の雨」の太田裕美が通ったのは公園ではなく、公園通りだったし。

ほかにもあるのかもしれませんが、「雨の公園」で好きな歌(それしか知らない)といえばこの歌。

https://youtu.be/hQPhwA9KecI

フォークのなかでも地味な歌ですがファンは少なくない。
素晴らしいのは詩的な詞。
つくったのんは今年の3月に亡くなった劇作家の別役実。作詞などほとんどしない人のようで、ほかにやはり六文銭の「お葬式が行く」という歌があるようだが、YOU-TUBEにはなかった。いつか聴いてみたい。
また、そのポエムに小室等のモノトーンの曲がとても合う。

といいつつも、実は雨の公園にふさわしいこの歌を思いついたのは夕刻、仕事を終えて自宅に帰ってから。

午前中、小雨の降る公園の中で悦にいっていたわたしの腦内蓄音機より聞こえてきたのは別の歌。

https://youtu.be/kPydlDfwiXA

カントリーでは知られた歌で、邦題は「雨の別離」。
よくある別れ歌で、また雨によって涙をさらに増幅させるというこれまたよくある詞で、いってみればポップミュージックの王道をゆく歌。

ただこの歌、雨は別れの「大道具」として出てきますが、そのロケーションが出てこない。
もちろんパークという単語などどこにも出てこない。

夕暮れの雨の中で、青い瞳の恋人と涙の別離をするというストーリーで、その場面が屋外であることはたしかなのだが、街角なのか、川辺なのか、停車場なのか具体的には全然うたわれていない。
それでも、昔この歌をはじめて聴いたときからわたしには、ふたりが立ち尽くしていたのは公園の木陰、というイメージが定着していました。

たしかに朝通った公園(大きな公園です)は、その片隅で誰かと誰かが別れの劇を演じていても少しもおかしくないロケーションではありました。そのBGMにこの歌はふさわしかった。

70年代にウィリー・ネルソンでヒットしましたが、ハンク・ウィリアムズからエルヴィス・プレスリーまで、ディーバならオリビア・ニュートン・ジョンからシャナイア・トウェインまで、ほんとに多くのヴォーカリストに愛された美しい歌です。

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