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your picture in the paper [country]

statler brothers01.jpg

https://youtu.be/NdDdb1OT9ng

きょうは仕事もなく、とくに出かける予定もなかったので、仕事場の掃除をしに。

遅ればせながらの夏の跡片付け兼冬支度。
エアコンを掃除し、扇風機もバラして拭き掃除。そのあとクリーナーをかけて机や棚、椅子にも雑巾がけ。その間、いつもどおりテープデッキから音楽を流します。
家だとほぼヘッドホンだけど、ここなら誰の遠慮もなく大音量とはいかないけれど(近所迷惑になるので)かなりのボリュームで堪能できます。

仕事中なら200本ほど放り込んであるテープボックス(と呼んでいる段ボール函)からランダムに取り出したテープをカセットにかけるのですが、きょうははじめからカントリーと決めていたのでゴソゴソと探します。
テープはほぼ昔レコードからダビングしたものですが、そのうちの20本あまりはレコードでいうところの「ジャケット」を着けたオリジナル商品。そのほとんどがカントリー。

そしてそのほとんどが知人がアメリカに行った時のお土産。いまやリタイアしてしまった知人ですが、30年あまり前は年に何度か仕事でアメリカへ行き、そのたびにカントリーのテープとTシャツを買ってきてくれました。ただ彼はカントリーが詳しくないので、その選択はテキトー。だから聞いたことないシンガーだったり、「ベスト・オブ・ハンク・ウィリアムズ」がすべてインストだったり、「ノンストップ・ブルーグラス30」の演奏者がほぼ知らないグループだったり(知らないのがわるい)とアメリカの奥の深さを感じさせられる?代物でしたが、それでもありがたいことで、昔もそしていまも充分堪能しております。

そんななかで唯一わたしが買ったテープがありまして。といってもアメリカなど一度もいったことがなく、当時アメリカの音楽通販会社へインターネットでアクセスし、直接注文しました。仕事でパソコンだけはウインドウズが出る前から使っておりましたので。まだamazonなどもなくて決済などどうやってやったのかも覚えておりませんが、欲望のパワーたるやものスゴイもので、ネットでなんとかたどりつきゲットしてしまったのでした。

それが「スタットラー・ブラザーズ」というカントリーのコーラスグループ。
当時よく売られていたCDのコンピアルバムのカントリー盤を買ったとき、なかに収められていたスタットラー・ブラザーズの「偉大なるかな神」が良くて、初耳のそのグループのアルバムが欲しくなり、何が何でもと買ってしまったのです。まぁカントリーのヴォーカルグループといえば、ソンズ・オブ。パオニーアーズが有名ですが、さほど多くはなくそれはそれでここちよい。

冒頭の動画がそのテープの中の一曲の[your picture in the paper]新聞で見た写真 で、日曜日の朝(土曜の夜とともにアメリカ人の好きな時間)ふと拡げた新聞に昔の恋人が結婚したという記事が写真とともに載っていた。それを見て動揺しながらも、昔の想い出がよみがえり、そして旦那さんともども幸せになってほしいと願った。というワンミニッツ・ドラマでスタットラー・ブラザーズのいくつかあるフェヴァリットソングのひとつ。


スタットラー・ブラザーズは1950年代から故郷のルイジアナ州スタントンの教会などでゴスペルをうたっていました。当初のグループ名は「フォースター・カルテット」で、その後「キングスメン」に改名。
初期のメンバーはドナルド・リード(バス)、ルー・デウィット(テノール)、フィル・バルズレー(バリトン)、ジョー・マクドーマン(リード)の4人で、1964年にレコードデビューするときは、リードのジョーが抜け、ドナルドの弟、ドン・リードが新たに加入しています。

また、1982年にはテナーのルーも体調不良で抜け、代わりにのちにソロになるジミー・フォーチュンが加入しています。いずれにしてもスタットラー・ブラザーズといっても4人が兄弟なのではなく、本ものの兄弟はドナルドとドンのふたりだけ。

スタットラー・ブラザーズと名乗ったのは1963年のことで、たまたま4人で泊まったホテルにあった顔用ティッシュが「スタットラー社」製のもので、なぜかそれが気に入り自分たちのグループ名にしたとか。こんなものか。そのとき泊まっていたホテルが「スタットラー・ホテル」だったかどうかは定かではありませんが。

初めてのシングルレコードは1964年の[the wreck of old 97 ]オールド97号の大参事 。

https://youtu.be/jxPdCj2QcRw

この歌は20世紀初頭にバージニア州で起こった鉄道の脱線転覆事故を題材にしたトピカルソングで、1924年にヴァ―ノン・ダルハートの歌・演奏でカントリー初のミリオンセラーとなったという曲。スタットラー・ブラザーズ以外でも、ルービン・ブラザーズ、フラット&スクラッグス、ウディ・ガスリー、ピート・シーガー、ジョニー・キャッシュ、ハンク・スノウ、、ロイ・エイカフ、ハンク・トンプソンなど多くのカントリーシンガーによってうたい継がれ、アメリカでもよく知られたトレイン・ソングのひとつ。

アルバムはその翌年の[flower on the wall]壁の花 でビルボードのカントリーチャート10位に入っています。
スタットラー・ブラザースの名をカントリーファンに知らしめたのは、64年から8年余りジョニー・キャッシュのバックコーラスを努めたことによって。

https://youtu.be/NGUP8oc9Bgs

[daddy sang bass]父の歌声 もそうですが、スタットラー・ブラザースのもっとも得意とするところがゴスペルやセイクレッドソング。ではそんな讃美歌をもう一曲。

https://youtu.be/7uWkEadWdkQ

[how great thou art]偉大なるかな神 は19世紀の後半、スウェーデンのカール・ボーバーグによってつくられた讃美歌をその後、イギリスやアメリカで翻訳され現在のかたちになったといいます。
高くそびえる山々、森の木々やその中を流れる小川、そしてここちよい風や鳥たちのさえずり、これらの不思議で感動的な光景を創造されたのが偉大なる神なのです。とあますところなく文字どおり神を讃美しています。
アメージング・グレイスとともに英米人にもっとも親しまれている歌で、コニー・スミスやキャリー・アンダーウッドなどレコーディングするシンガーは多い。そんななかでもよく知られているのが、1967年にリリースしたエルヴィス・プレスリー盤。アルバム[how great thou art]のタイトル曲で、グラミー賞を獲っています。
はじめにも述べましたが、わたしにとってもこの曲がスタットラー・ブラザーズで初めて聴いた歌でした。エルヴィス盤を聴いていたので耳に残ったでしょうね。

もちろん、彼らはゴスペルやヒムばかりをうたっているわけではなく、ラブソングやふつうのポップスもたくさんうたっています。そんななかから1985年彼らの26枚目のアルバム[pardners in ryme]韻をふむパードナー(意味がわからないのですが) の1曲目[hello mary lou]ハロー・メリー・ルウを。動画はほぼ音がわるいので、さいごは音重視で。

https://youtu.be/j-EcCKAc_iY

日本でも弘田三枝子などのカヴァーでよく聞こえていた歌で、オールドファンには耳馴染でしょう。日本では「ルイジアナ・ママ」のシンガーソングライターとして知られるジーン・ピットニーによって1960年につくられ、翌年リッキー・ネルソンでヒットしています。
シングル盤としてはこの「ハロー・メリー・ルウ」はB面で、全米ナンバーワンになったのはA面の「トラベリン・マン」。とはいえ「ハロー・メリー・ルウ」もB面ながら全米6位になっています。
その眼、そのくちびる、その声、そのすべてを永遠に愛することを誓います。という日本人には大袈裟な(今はそうでもないのかも)アメリカン・スタンダード・ラヴソング。

少し早めの大掃除を終えて、午後に帰宅。夕食には少し間がありますが、いまは大相撲をやっていますので時間はつぶせます。
ここ数日、ワールドカップの「ドーハの奇跡」で持ちきりです。わたしも当日席を立てずに歓喜のタイムアップまで釘付けでした。信じられない結末でした。ドイツの敗因はシュートミスの連発。決定的なシーンが少なくとも2つはありました。反対にいえば日本にツキがありました。とにかく勝ち点3は大きい。ただ、好発進ではありますがわたしはペシミストなので、明後日のコスタリカとその次のスペインに連敗して予選敗退なんてイメージもあります。フットボールに限らず過去にいろいろな勝負を見てきましたが、ジャイアントキリングのあとの取りこぼしというのは珍しくありません。
いずれにしても日曜日は「ドーハの奇跡」が現実なのか、眼をこすりながら確かめるつもりです。

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