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拳闘はらいっぱい

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日本シリーズは終ったけれど、スポーツの「秋」はまだまだ続きます。
今日は午後5時半からパソコンでボクシングの試合を。
世界戦2試合を含む4カードでしたが、終ったのが10時近く。ベッタリ観ていたわけではないけど疲れました。

メインイベントのともに世界ライトフライ級チャンピオン同士の日本人戦はいちばん盛り上がった。結局地力にまさるWBC王者の寺地拳四朗が京谷紘人を7ラウンド、レフリーストップでWBAのベルトも奪取した。ファンの多い京谷ですが実力負け。拳四朗は1ラウンドから余裕があり、自信に満ちていた。つぎはその前の試合で帝拳の岩田翔吉を判定でやぶってWBOのタイトルを防衛したプエルトリコのゴンザレスとやって3本目のベルトを狙うのだとか。

ほかでは期待していた中谷潤人。スーパーフライに階級をあげたけど問題ないだろうと思っていましたが、相手は元世界チャンプ、メキシコのロドリゲス。しつこいブルファイターで、相性がわるいのか結構手をやいた。それでもさしたるダメージもなく、大差の判定勝ち。いまは負けないことが大事でひと安心。「勉強になった」とインタビューに応えていましたが、ほんとにいい相手とやったと思う。その言葉どおり、今度ファイターとやるときはきっともっと上手くやってくれるだろうと思った。中谷潤人にはそれだけのセンスを持ち合わせている。

歳のせいかボクシング4試合はきつい。野球のほうがまだ気楽に観ることができる。

今月はワールドカップもあるし、13日には九州場所も始まるし、27日にはジャパン・カップもあるし、駅伝・マラソンのシーズンでもあるし、忙しいけれど楽しみでも。

寒かったり、暖かかったり、やっぱり秋なんですね。

日本シリーズは終わりましたが、わたしの脳内蓄音機ではいまだヴァイオリンの調べが鳴り響いております。

よくよく考えてみますと、たとえば昭和24年の大ヒット曲「青い山脈」(藤山一郎・奈良光枝)だって29年の「お富さん」(春日八郎)だって昭和30年の「この世の花」(島倉千代子)だって昭和34年の「黒い花びら」(水原弘)だって35年の「さすらい」(小林旭)だって昭和38年の「高校三年生」(舟木一夫)だって昭和40年の「女の意地」(西田佐知子)だってみんなその伴奏にヴァイオリンがつかわれていた。

あたりまえですが、レコーディングに際しては規模はどうあれオーケストラをつかうのが一般的でした。だから当然ストリングスのメインとしてヴァイオリンがつかわれたのです。
前面に押し出したものもあれば、バックでささやかに聞こえてくるものもあったり。とにかくヴァイオリンは伴奏には便利で、また欠かせない楽器なのです。

ただ子どもの頃は、フランク永井の「有楽町で逢いましょう」を聴いても石原裕次郎の「赤いハンカチ」を聴いても、ヴァイオリンどころかバックの演奏のことなど意識しなかった。

はじめて歌の中の演奏のヴァイオリン、正確に言えばストリングスを意識するようになったのはゴールデン・カップスの「長い髪の少女」でした。間だけでしたが印象的でした。

https://youtu.be/sFojpmJLWZw

GS(グループサウンズ)といえば、当然楽器はギターであり、ベースでありドラムスであり、加えてキーボード。それをグループのそれぞれがパートを受け持ち、リードボーカルがいるというのがスタイルで、いまのバンドにまで引き継がれている。もちろんビートルズをはじめとするUKのバンドグループを見本にしたものですが。
楽器がありヴォーカルがいればそれだけでレコーディングは可能で、レコードもつくれそうな気がします。

しかし、GSブームのなか、数多のバンドがレコードを発売し、それを商品として1枚でも多く売らなければならない。それには商品としてそこそこのグレイドは保たれなければならない。
はたして、俄にに仕立てられたようなグループもあったような当時のバンドにそれだけの演奏テクニックがあったのかどうなのか。もちろんすべてではないだろうけど、ほとんどスタジオミュージシャンなんてレコーディングもあったのでは。
つくる側としては、いくらバンドの魅力で売るといってもよりよいレコードに仕上げようと思えば、昔ながらのオーケストラの力を借りてのレコ―ディンということになる。

それはレコードという商品の質をたかめようとすれば当然のことで、ビートルズだってストーンズだってストリングスをつかっています。

とにかくGSのころから伴奏のヴァイオリンに目覚めたわけで、そのころのGSではほとんどバンドがストリングスを取り入れていました。スパイダースだってワイルド・ワンズだってオックスだってテンプターズだって。
ということはみんな演奏が下手だった? ということはないでしょうが。とにかくレベルの高いレコード(商品)をつくろうとうことだったのでしょう。

GSのなかでもとりわけ、ヴァイオリンやほかのストリングスを多用し、なおかつそれが効果的だったのがタイガース。スタートメンバーは沢田研二(ヴォーカル)、岸部修三(ベース)、加橋かつみ(リードギター)、森本タロー(サイドギター)、瞳みのる(ドラムス)の5人。
デビューからしばらくは作曲&編曲:すぎやまこういち 作詞:橋本淳のコンビ。
近年亡くなったすぎやまこういちは当時テレビ「ザ・ヒットパレード」のディレクターで、以来GSの中心的作曲家として、またその後はゲーム音楽の第一人者として活躍することになります。その音楽的素養は当初から天才的でした。それがとりわけ編曲にあらわれています。それではストリングスに彩られたタイガースをいくつか。

https://youtu.be/YaavZ1MWiwg

「モナリザの微笑み」(1967年)はデビュー曲「僕のマリー」から3枚目のシングル。この頃からレコードジャケットもメルヘン調というかバロック調といいますか、ストリングスのつかい方もそんな感じになってきます。その後、GSで主流となるステージ衣装のミリタリールックもタイガースがはじめてだったような。

https://youtu.be/j_2srPcvsfc

「白夜の騎士」(1968年)は、「花の首飾り」に続く6枚目のシングル「シー・シー・シー」のB面。作詞の有川正子は、なにかの芸能雑誌でタイガースの歌詞を募集したところ入選した読者。それを「座付作詞家」の橋本淳が手直しして完成させています。「花の首飾り」もそういうケース。当時、GSに限らず人気(アイドルなんて言葉はまだなかった)歌手の歌の歌詞を雑誌で募集するというケースが少なからずあったようです。
曲・編曲は当然すぎやまこういちで、まさにメルヘンチックな歌になっています。当時はやりのベースランニングとともにやはりヴァイオリンが印象的。

https://youtu.be/xfqEhaBNosc

最後は「青い鳥」1968年。タイトルからもメルヘン。完全にほぼ女の子をターゲットにしています。「青い鳥」は当時世界のポップミュージックを席巻していた「ラヴ&ピース」をコンセプトにしたアルバム「ヒューマン・ルネッサンス」からシングルカットされた曲で、作詞作曲がギターの森本太郎というのがめずらしい。編曲はもちろんすぎやまこういちですが。印象的なギターのイントロとともに、ヴァイオリンがふんだんに活かされています。

反対にGSで比較的ストリングスをつかわなかったのがブルー・コメッツ。初期の「青い瞳」や「青い渚」などはほぼバンドの楽器構成だけでやっている。大ヒットの「ブルーシャトー」では目立たないようにつかっていますが、晩年?の「さよならのあとで」などムード歌謡っぽい楽曲になるとイントロからしっかりつかうようになっています。

https://youtu.be/oV7u5hsGDvI

同様にジャガーズもデビュー曲の「君に会いたい」や「ダンシング・ロンリー・ナイト」ではバンド演奏だけで録音している。

https://youtu.be/GpT1R4LHvis

こうしたバンドは当初予算がなかったと考えるべきなのか、それともメンバーそれぞれがレコーディングに耐えうる演奏テクニックを持っていたと考えるべきなのか。ブルーコメッツは後者でしょうけど。

おまけもGSで。
はじめから売る気満々で、デビュー盤からしっかりストリングス付きのオーケストラをつけてもらったバンドの初シングル。作詞はタイガース専属?ではなかった橋本淳。さらに作曲・編曲はかの筒美京平。ならばオーケストラつけるのは当然ですね。
タイガース、テンプターズに続くアイドルバンドという売り込みでした。失神さわぎがあったりしてね。

https://youtu.be/33XhDL48rhQ

今日はボクシングとひさしぶりのGSでおなかいっぱいです。

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