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Runaround Sue [not mellow BB]

スザンヌ・プレシェット.jpg


なぜか雨の日になると用事ができて出かける羽目に。

きょうは錦糸町へ。
早く着き過ぎたので本屋で時間調整。
買いたい本があるわけではないので、ウォッチングのみ。
どこの書店でもそうだと思いますが、最近の売れ筋本がベスト10形式で表示されています。
その店もジャンル横断で、文庫、新書、単行本別にベスト10の本がラックに並べられていました。そのなかで気になったのが新書。

第三位が「ウクライナの歴史」。
なるほど、時節柄感心が高いのでしょうが、アフリカや中東のように以前から現在に至るまでいまだ戦火がおさまらない地域があるのに、なぜウクライナがといえば、おそらくロシアという日本にとっても隣国が犯罪的な侵略を行っているからなのでしょう。それほど日本人にとって関心が高く、他人事とはおもえない暴力なのでしょう。
とにかく毎日なにか気分が晴れないというのは「あの男」のせいだ、とおもってる日本人はわたしを含めて少なくないのではないでしょうか。

第二位は「70歳からの老けない生き方」
和田秀樹という精神科医が書いた高齢者向けの「心のサプリメント」のような本(ではないでしょうか、読んでませんので)。このような本が売れていることも、著者の名前も初耳で、いかに自分が世間からズレているか、置いてけぼりにされているかを再確認。今始まったことではないので、気にはしておりませんが。

そして第一位は。これがなんとブランクでそこには「売切れ中」の札が。
これは気になる。そろそろ待ち合わせの場所へ向かわなくてはなりませんが、ここまで見てしまうと、「まぁいっか」とはいきません。
買う気もないくせに近くにいた店員さんに訊ねてみると、親切にも教えてくれました。というより調べずに頭の中に入っていたというのがスゴイ(わたしのような厚かましい客がそこそこいたためかもしれませんが)。プロです。

第一位は「80歳の壁」
これも著者は和田秀樹さん。ますます自分の無知を思い知らされることに。しかし一位、二位独占はすごい。いつの時代にも現れる「売れっ子ドクター」なのでしょうね。多分著書は読まないでしょうが、せめて御名だけでも覚えておこう。でも最近はメモリーの具合がよくなくて、なかなか新規保存がききません。
しかし帰宅してこのブログを綴れているということは、著者の名前を憶えていたということで、メモリーは劣化しているとはいえ、まだ機能しているようです。

そのベスト10に入っていたかどうかは記憶にありませんが、新書でそのほか目についたのが、脳科学者と政治学者という二人女性のタレント文化人が書いた「不倫と正義」という本。まぁ、社会のトレンドに掉さす内容なのでしょう。目を惹いたのはテレビでみたことのある御顔が表紙に並んでわたしを見ていたからなのですが。買いませんよ。

正義はともかく「不倫」ですか。いつくらいからでしょうか「不倫」という言葉が一般的になったのは。少なくとも男優が「不倫は文化」と言って物議をかもした以前からあったような気がしますが、すくなくとも昭和30年代、40年代にはなかったような。
昔は「浮気」っていいました。「浮気」はもはや死語なのでしょうか。日常会話ではまだ生き延びているような気もしますが。

気が変わらないうちに今回もオールディーズを。
60年代のアメリカンポップスです。

https://youtu.be/m-s09vrJgNM

「浮気なスー」Runaround sue はディオンDionがうたって1961年、ビルボード全米ナンバーワンになった白人ドウワップ。ソングライトは彼と友人との共作。のちに「スー」とは彼の奥さんのスザンナのことだと公表したとか。本当かな。大丈夫だったのかな。
動画でみごとにカヴァしているのはオーストラリアのポップス・カルテット、ヒューマン・ネイチャhuman nature。ほかにもオールディーズをいくつもうたっていますので、興味のある方は探して見てください。

「浮気なスー」は、すぐに他の男になびいてしまう彼女には決して近づくな、と男どもに警告を発している歌。裏読みすれば(みながそう思ってくれれば、僕ひとりの彼女になるのだからね)ととれないこともありませんが、素直に読めば「だって僕はこんなひどい目にあったんだぜ」という怨み節。「でも彼女の笑顔や手の感触が忘れられないんだ」という未練節でもある。まぁ、失恋ソングの定番です。

[Runaround]は直訳すれば「走りまわる」ですが、「言い逃れ」とか「ごまかし」という意味もあるようです。この歌では、町じゅうの男にモーションをかける(古い表現ですが)という意味でつかっているようです。それを「浮気」と訳したのは60年代カヴァポップスの作詞、いや訳詞の帝王・漣健児。名訳です。

その訳詞で日本語カヴァしたのが、1962年(昭和37)のスリー・ファンキーズとダニー飯田&パラダイス・キング。記憶にあるのは前者のほうですね。

https://youtu.be/IzwcGK3UeEM

どちらも漣健児の訳詞でファンキーズ盤は「浮気なスー」(サブタイトルは「悲しき恋の物語」)で、パラキン盤は「浮気娘」となっております。

また2009年には甲斐バンドがそのまま「浮気なスー」としてカヴァしております。動画でないのが残念ですが。

https://youtu.be/sbB4JyZi4PY

甲斐ヴァージョンを聴いていると、なぜか歌の終り際にコニー・フランシスconnie francisの「ロリポップ・リップス」lollipop lips の歌い出しを歌っておりました。
こういう「お遊び」で思いつくのはフォーククルセダーズの「帰って来たヨッパライ」。エンディングで、ビートルズの「ハードデイス・ナイト」をお経ふうにうたい、バックには「エリーゼのために」を流すという訳の分からない「お遊び」をしておりました。
とにかく甲斐よしひろさんも幼き頃、カヴァポップスにとり憑かれていたのでしょうね。それにしても「ロリポップ・リップス」はシブい。たしかに[Orange, pineapple, cherry, lemon and lime]は口ずさみたくなるフレイズではありますが。


本屋で時間をつぶしたあと、駅前の喫茶店で知り合いと閑談。
知ったかぶりで「今売れている本でさ、『80歳の壁』って…」と言い終わらないうちに、「ああ、和田秀樹のやつね」と知人。
「ええ? 常識なの」と心のなかでわたし。知人はわたしより年上なのに…。

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