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バンジョー持って出かけるところです [フォークソング]

kinfstone trio.jpg


そもそもバンジョーの起源はアフロ系アメリカ人がアフリカ時代につかっていた民俗楽器が原形だとか、アラブからアフリカへ伝えられた楽器が大元だとか明確な「元祖」は不明のようですが、ブルーグラスでつかわれる5弦バンジョーは、アメリカでつくられたもの。

18世紀のミンストレルショー(白人が黒人に扮したりする、歌あり芝居ありの日本でいうところの大衆演劇みたなものかな)では欠かせない楽器でしたし、19世紀に入ってつくられたスティーブン・フォスターのミンストレル・ソング「草競馬」や「おゝスザンナ」がそうですね。

https://youtu.be/qSIj17xbAyk

とはいえ、主に脇役のリズム楽器だったのですが、その脇役が一躍注目され始めるのが1950年代後半にアメリカで爆発したフォーク・リバイバル・ムーヴメント。
そのきっかけとなったのが1958年、キングストン・トリオの「トム・ドゥリー」

https://youtu.be/S3zdE8bliGI

「トム・ドゥリー」は邪魔になった恋人を殺して縛り首になった実在の人物、トム・デューラーのことをうたった歌で、南北戦争直後につくられといわれています。

いちおう「よみびと知らず」のP.D.つまり民謡ということになっていますが、トムが刑場に曳かれていく最中に自らつくったという説も。おまけにトムはカントリーバンドのフィドラーだったという説も。さらに、実はトムは冤罪だったという説まで。

真偽のほどはともかく、殺人者処刑の話が歌となり、それがヒットするなんて日本ではおよそ考えられません(殺人事件が流行歌になったことはありますが)。

とにかくキングストン・トリオの「トム・ドゥリー」のビッグヒットによりモダンフォークの大ブームがアメリカで起こり、ピト・シーガー、フラザース・フォア、ジョーン・バエズ、ボブ・ディラン、ピーター・ポール&マリーなど多くのフォーキーたちが名曲とともに誕生したわけです。ビートルズ登場前夜の話です。

日本でも60年代半ば、このフォークとビートルズとエレキという3つの大波が到来し、日本のポップスシーンを激変させていきました。JPOPのルーツも間違いなくこの時期にあるはずです。

そうでしたバンジョーの話でした。

この時代の日本のフォークソングでバンジョーが印象的につかわれている曲というと、すぐに思い浮かぶのがソルティ・シュガーの「走れコウタロー」。草競馬からでもヒントを得たのでしょうか。ただこの歌はもろカントリーサウンド。ドンキー・カルテットの「宮本武蔵」と並ぶジャパニーズカントリーです。

それよりも印象に残っているのは、のちに本格的なブルーグラスバンドをつくることになる高石ともやのこの歌。

https://youtu.be/15wUSRm_joc

ちょうど高校受験の年だったこともあって問題集以上にこの歌が頭に入ってきて、半世紀を優に過ぎたいまでも、脳みそにこびりいついております。


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