三つの涙 [歌謡曲]
https://youtu.be/-XTAK0avUEw
YOU-TUBEでこの演奏を見て、「こいつはムード歌謡だ」って思いました。
そもそもムード歌謡の起源としてよく言われているのは、戦後の「洋楽解禁」によってどっと入って来たジャズ(洋楽ポップスの総称)の影響だと。バンドのかたちとしてはジャズやハワイアンが多かったようですが、楽曲的には日本人の好きなマイナーチューンの多いラテンミュージックの影響が大きかったのでは。
それが昭和30年代の中判から後半にかけて、吉田正をはじめとして、浜口庫之助や鈴木道明らによって歌謡曲のなかに取り込まれ(当初は都会派流行歌といわれた)、40年代にコーラスグループの林立でムード歌謡として定着していくのですが、誰が名付けたか「ムード歌謡」という呼び方はいまひとつシックリきません。
ラテン歌謡のほうがストレートだと思うのですが、日本ではストレートよりフックやアッパーのほうがいいんでしょうね。
でもラテンが日本の流行歌に取り入れられたのは戦後からではありません。戦前にはタンゴが流行したし、ルンバも入ってきています。
となれば、ラテン歌謡曲いやムード歌謡の嚆矢は昭和初年の歌謡曲に求められる。いちばんはじめにタンゴのリズムを取り入れた流行歌は昭和6年に佐藤千夜子がうたった「日本橋から」(作曲・古賀政男で、関種子もうたっている)といわれています。
でももっと聞きなじみのある「タンゴ歌謡」といえば、関種子や淡谷のり子がうたったこの歌(「日暮れの窓で」も同じ曲)。
https://youtu.be/UIhhn9Z7f98
昭和30年代のリバイバルブームで井上ひろしがカヴァーしましたが、アレンジはタンゴから和製ブルースに変わっていました。まぁ当時にすれば、タンゴは戦前の古くさいリズムで、「君恋し」もそうでしたが、ブルースのアレンジが流行りだったんでしょうね。
はじめのYOU-TUBEはギターラ・アズルというアメリカのユニットの演奏するファドで「三つの涙」という楽曲だそうです。
ファドは昔? 五木寛之が演歌との類似を語って日本でも注目されました。当時アマリア・ロドリゲスがよく流れていました。
この演奏を聴くと演歌というよりやっぱりムード歌謡ですね。もっとも今の若い人たちはムード歌謡も演歌も同じように聞こえるそうですが。
ポルトガルならばやっぱりラテンミュージックですから、ムード歌謡との類似を感じるのは少しもおかしくないですね。
「三つの涙」というタイトルもどこかムード歌謡っぽい。
そこで最後に「涙」にちなんだムード歌謡をひとつ。
https://youtu.be/S4l-gFQU6Y8
2020-04-10 23:37
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0