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ヒッピーは何処へ [not mellow AB]

ひこうき雲03.jpg

きのうきょうと厳寒です。
手袋をしていても指さきが寒さでしびれるというのは久しくなかった。

ここのところ体調のこともあり、なるべく出かけず、仕事も最小限で余分なこと(これが楽しいのですが)はせず、歩いて10分あまりの仕事場とウチとの往復のみに。

それでもいつもの公園を通ると、心動かされることがある。
きょうもきのうに続いての青空を仰ぐとひこうき雲が。外出すると晴れた日は必ずといって雲をみるので、ひこうき雲はそれほどめずらしくはないけれど、その先頭を見ることができるのはあまりない。

楽しみは、家での仕事を終え、夕食を終え、風呂を終え(面倒くさい)、炬燵にもぐりこんでYOU-TUBEの海でのネットサーフィン。
ほとんどが音楽で、きのうも久々にダリダやフランソワーズ・アルディを聴いていたら波にのりそこなって(ワザと)、初見のユニットのフレンチポップスを聴きました(見た)。

https://youtu.be/sT7RDve7Dpw

懐かしい曲だったのでマウスを手放してしばし見とれてしまった。
[Laissons Entrer Le Soleil]は「太陽を迎え入れよう」で英語なら[let the sunshine in]。
「レット・ザ・サンシャイン・イン」は1960年代後半のブロードウェイミュージカル「ヘアー」の挿入歌。ポップスとしてはR&Bユニットのフィフス・ディメンション5th Dimension によって「輝く星座」Age of Aquarius/Let the Sunshine in としてリリースされ全米ナンバーワンに輝きました。日本でもヒットパレードのベストテンに入るほどヒットしました。

https://youtu.be/kjxSCAalsBE

フィフス・ディメンションの「レット・ザ・サンシャイン・イン」はいわばこの曲のサビ部分を延々とリフレインするだけ(それはそれでインパクトがあり、トリップ作用もありました)ですが、ミュージカルの「レット・ザ・サンシャイン・イン」の正調は冒頭のカヴァーのように前段があるのです。
ちなみに冒頭のユニットは、20年近く前のもので、当時のフランスで行われた「ヌーヴェル・スター」というアイドル発掘番組?によって選ばれたメンバーによるものだそうです。

ブロードウェイの「ヘアー」は当時の時代背景となったベトナム戦争とヒッピームーヴメントの中に生きる若者たちの葛藤を描いたもので、アメリカでは大ヒット。世界のいくつかの国でも公演されました。

フランスでも1969年にパリ公演が行われ、現在フランスポップス界の重鎮であるジュリアン・クレールJulien clerc が主役を演じています。

https://youtu.be/BtWgjS3tNQA

「ヘア」は映画にもなりましたが、そのストーリーはアメリカの田舎に住む若者が徴兵され、入隊する前に都会を見ておこうと思いついてニューヨークへ行くとことから始まります。そしてそこで自由に生きるヒッピーたちと出会い、入隊を反対されたりして心が揺れ動く。そのあとヒッピーの中心人物のラヴアフェアーなどがあったりしたあと、若者は入隊することに。
そして、このへんがファンタジーなのですが、入隊した若者とヒッピーの中心人物がその基地で入れ替わってしまう。そしてそのことが発覚する前にヒッピーの若者はベトナムへ行くことになり……。という内容。

最後に「レット・ザ・サンシャイン・イン」がつかわれているているミュージカルのワンシーンを。もちろん当時のものではありません。いまでも「ヘア」を上演されているようですね。ということはヒッピーはともかく(いやそうでもないかも)、もうひとつの主題である若者たちの戦争に対するプレッシャーはいまのアメリカ(だけではない)でも通用するのかも。

https://youtu.be/wH43IpeC98g

当然日本でも当時「ヘア」は日本人キャストで上演されました。
なんでも、グループサウンズのブームが消えて、その残党たちがオーディションに多数応募したとか。主役を射止めたのもそのひとりでした。
しかし「ヘア」の主題である愛と自由のヒッピー文化はいまひとつ馴染まず、ましてや徴兵制、身に迫る戦争への恐怖などは他人事で、当時の日本ではいささか無理のあるテーマだったようでした。寺山修司が「反戦」を在日朝鮮人に対する「差別」に置き換えて台本を書き上演という動きもあったようですが、もうひとつの主題であるヒッピームーヴメントと関連付けるのは無理で実現しなかったとか。

さらに公演中にプロデューサーと主役が大麻所持で逮捕されるという事件が起こり公演は中止に。薬物だけはヒッピーを真似てみたのでしょうが。

当時高校生だったわたしは、出演者が舞台上で全裸になる(アメリカではそうだったのですが、はたして日本で実行されたのかは不明)という報道だったので、「ああ、ヘアってそういうことだったのか」なんてノーテンキなことを考えていたのを覚えています。

ベトナム戦争もヒッピームーヴメントももはや半世紀あまり昔のこと。
近隣大国の軍事戦略による防衛費増強で戦争も「他人ごと」ではなくなりつつあるのかもしれない日本(徴兵制だって)。それも気になりますがあのヒッピーたちはどこへ行ってしまったのでしょうか。そして今、何をしているのでしょうか。

戦後のビートニクの流れから発生したヒッピーたちはワールドワイドで文化や社会にそれなりの影響を与えたように思うのですが、思いのほか「短命」でその姿が見えなくなってしまいました。いまでもどこかのコミューンでそのライフスタイルをまっとうしているのでしょうか。
歴史を逆行することはできないにしても、現在社会のロシアのウクライナへの侵略や深刻な大気汚染による環境破壊の脅威を思えば、ドラッグや宗教という問題を棚上げしても彼らの思想を読み返してみることは、無駄なことではないような気がします。

オマケは当時ヒッピー文化の影響を受け、日本でもヒットしたサイケデリックミュージックを。

https://youtu.be/aU7hVMc3q6Y


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