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二十歳 [on the park]

フォークル01.jpg

いつもの公園を抜けると成人式でした。

そうだ今日は成人式なのだ。1月15日じゃないけれど。

公園を抜けた横断歩道の信号の向う側とこちら側に、ものすごい数の着飾った若者たちがおりました。二百いや三百、いやそれ以上。とにかく壮観。
そうでした、この公園内に成人式の式場があったのでした。

女性はほぼ鮮やかな着物姿。たまに見るドレス姿が逆に目を惹いたり。なかには就活?と見紛うような黒のスーツにスカートという女性も。それはそれでその精神までが伝わってくるようで清々しいものでした。男性は一様にダークスーツにコート。紋付袴は見受けられませんでした。北九州や沖縄仕様もいなくて、野郎ども元気ねぇな。

いままさに式典が終わったばかりなのでしょう。警察官がハンドスピーカーで交通整理をしております。それにしても駅へ向かう彼氏彼女は少数で、ほとんどが、信号のあちら側とこちら側にたむろして、写真を撮ったり談笑しながら別れを惜しんでおります。
久しぶりに会う同級生もいたはずで無理もないことです。

悲しい話ですが、個人的には成人式の記憶がありません。
もちろん成人式はあったのでしょうが、完全にスルーして生きてきてしまいました。
半世紀も昔の話ですが、当時はわたしのような不参加組が多数派だったのではないでしょうか(統計があるわけじゃないけど)。

今日だって、さまざまな理由から成人式に参加しなかった若者が少なからずいるはず。
そうした若者も、半世紀前のわたしも今日成人式に出席した彼ら彼女らと同様に、夢と希望と不信と不安を抱えながら人生の春を生きていたことは間違いありません。

そんな多くの人が通過してきただろう、やがて通過するだろう「20歳」の歌を。

すぐに思い浮かぶのは桜田淳子、中島みゆきの「20才になれば」、薬師丸ひろ子が♪20年も生きてきたのにね と歌う「メイン・テーマ」ですが、つい最近聴いたような気がするのでパスということに。古い歌謡曲では白根一男の「はたちの詩集」、舟木一夫の「成人のブルース」なんてのもありました。
でも今回はなんとなくフォークが聴きたい気分なのでこの歌を。

https://youtu.be/GbHvOJL2d5k

シグナルは京都のフォークバンドで、1975年メジャーデビューしたこの歌がヒット。メンバーチェンジがありながら、8年ほど活動して解散。
作詞作曲はベースを担当していた田辺功夫でのちにスタッフ側にまわったとか。
歌詞が時代を映しておりますが、流行り歌にしてはちょっと重い叙情フォーク。

続いてやはりフォークで2曲。
まずは明日嫁ぐ20歳になった娘が戦死した顔も知らない父に語りかける(このへんが寺山らしい)というストーリー。

https://youtu.be/79Ld-CdgVeg

作詞の加藤ヒロシは天井桟敷のメンバーで元はGS「ガリバーズ」に在籍していたとか。オリジナルはフォーク・クルセダーズとカルメン・マキ。ほかでもいろいろな日本のフォーキー(ほとんどの)がカヴァーしている1968年の名曲です。

次で最後はそれから10年後につくられたフォークソング。

https://youtu.be/RR4hcMouBRc

故郷を出て大人になった(30代後半とか40代とか)僕が、あるとき酒を飲みながら昔をふりかえるというよくあるストーリー。少年時代、そして失恋した二十歳の頃と。
曲は元「ふきのとう」の山木康世。詞は武田鉄矢。詞のキイワードが中原中也を剽窃しているのではという問題もありましたが、とにかくノスタルジックな歌。
詞もそうですが、曲がなんとも懐かしい。いくつになっても共感できる歌です。

今年の4月から成人が18歳になるということで、これが最後の20歳成人式になります。来年どうするのかはわかりませんが、たとえば「20歳の式典」など名称を変更して二十歳になった若者を祝う行事は継続されるというのが、大部分の自治体の方針だとか。
まぁ、どこかで18歳成人式になるのでしょうが、その頃には一月の風物詩でもあった若き女性の着物姿も消えてしまうのでしょうか。

もう一度人生をやり直したいとはまるで思わないし、タイムスリップもごめんだけれど、20歳、やっぱり、なんかうらやましいなぁ。

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