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Autumn Leaves [on the park]

枯葉04.jpg

もはや秋ですね。枯葉の季節です。
今日のようにサラッと雨でも降ってくれればその風情たるや♪絵にも描けない美しさ。
そこへ突如ロングコートに鍔の広い帽子をかぶった梶芽衣子姐さんみたいな女性が現れれば、シャンソンでも聴こえてこようというもの。

https://youtu.be/2ZdJnyOw73k

とにかくいい季節になりました。シャンソンが心に沁みる時候となりました。
日本で最も知られたシャンソンといえば上に紹介した「枯葉」Les feuilles mortesではないでしょうか。日本ではシャンソンそのものがまるで化石のようになってしまっていますので、多分いまでも変わってないのでは。

日本にシャンソンブームが起こった昭和30年代、ある雑誌? が行った「好きなシャンソンランキング」ではこの「枯葉」が「聞かせてよ愛の言葉を」や「ラ・メール」、「桜んぼの実るころ」を押さえて第1位だったそう。

「枯葉」は作曲家・ジョセフ・コズマが1946年自身が音楽を担当した映画「夜の門」の中ではじめて披露しました。うたったのは出演したイヴ・モンタン。詞は詩人のジャック・プレヴェール。

https://youtu.be/JWfsp8kwJto

いまでも「枯葉」はモンタンの代表作なので、その映画から「枯葉」がブレイクしたと思いたいのですが、実はフランスのなかで、さらには日本に、世界に枯葉が降り注いだのはその3年後、ジュリエット・グレコによって。

昨年93歳の寿命を全うしたグレコは神秘と伝説にみちた歌手。
といってももとから歌手をめざしていたわけではありません。

グレコは「サンジェルマン・デ・プレ」の女神と呼ばれました。
セーヌ河畔にあるパリのカルチエ「サンジェルマン・デ・プレ」は1944年、パリが解放されると、文化人の「たまり場」となります。若きサルトルやゴダール、プレヴェール、ヴィアンといった作家、詩人、映画監督などの芸術家たちがたむろすカフェやキャバレーが立ち並び、夜な夜な哲学や演劇、文学などの熱い議論が飛び交ったフランス文化の中心エリアとなったのです。

当然そうした雰囲気に吸い寄せられるように多くの若者たちも集まってきます。二十歳そこそこで多感だったグレコもそんなひとりで、カフェなどにたむろす女子グループのリーダー的存在でした。、当時めずらしかった黒のセーターに黒のスラックスとう個性的な出で立ち(貧しかったので)が神秘的で、雑誌にまで取り上げられ、さらにはサルトルらのいまでいうところの文化人の「追っかけ」まで現れて、時の人となていきます。

驚くべきことはこのときグレコは歌手でもなんでもない、たたの若い女性だったということ。ただ世間やマスコミが注目するカリスマではありましたが。ナチスの侵略から一気に解放された時代が、そうした神秘的な女神を待望したのでしょうか。

歌手になるキッカケはその数年後、ある潰れかかったカフェのオーナーが起死回生で「話題のミューズ」グレコにその店で歌をうたわそうと目論んだことからです。本格的な歌などうたったことのなかったグレコでしたがオーナーの熱意に承諾。そして初めてうたったのがアンニュイに満ちた失恋ソング「枯葉」でした。

それが評判が評判を呼んで大ヒット。
いくらかは歌手の素養があったのかもしれませんが、まったくの素人です。もはや時代の寵児の行く道は誰にも止められないということだったのでしょう。

ただ、グレコがすごかったのは、その後も「私は日曜日がきらいだ」、「ロマンス」「街角」「ミアルカ」などをヒットさせ、その才能を開花させ周囲の期待に応えたこと。もちろん時の流れに乗った、時代の風に吹かれたということだけではなかったはずで、人知れぬ努力をしたはずです。

https://youtu.be/DuQGbs7mhnw

グレコは昭和36年に初来日し、その後も何度も日本でコンサートを開き、本場のシャンソンを披露して日本にシャンソンを定着させた立役者のひとりとなりました。

ちなみに前述した「好きなシャンソン第1位が枯葉」だった雑誌の好きなシャンソン歌手第1位は男がイヴ・モンタン、女はジュリエット・グレコでした。

もちろんこれだけの名曲ですから、モンタン、グレコ以外でも多くのシンガーがレパートリーとしています。エディット・ピアフ、コラ・ヴォケール、リュシエンヌ・ドリール、ジャクリーヌ・フランソワなどなど。

https://youtu.be/Si_bYAqWy2w

枯葉はもちろんフランス、日本だけのものではなく、アメリカでもAutumn Leavesとしてポップスやジャズのスタンダードとして親しまれております。ちなみにカントリーでもウィリー・ネルソンやエヴァ・キャシディなどがうたっておりますし。
最後はそんな「枯葉」をふたひら。

まずはヴォーカル。ナット・キングコールをはじめフランク・シナトラ、パット・ブーン、ビング・クロスビー、女性ならヘレン・メリル、ナタリー・コール、パティ・ペイジと百花繚乱ですが、スキャットで聴かせるこの「枯葉」を。

https://youtu.be/KZbI2VZF9K8

次はジャズインスト。これもスタン・ゲッツ、ジョン・コルトレーン、キャノンボール・アダレイ、マイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンス、ウィントン・ケリーと錚々たるメンバーがレパートリーとしていますが、日本でも親しまれているこの人で。

https://youtu.be/x2Qu_UhfJeE



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