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沈黙は金、か? [on the park]

サイレント・イズ・ゴールデン03.jpg

「スーパー・サルビア」以来公園を通るとき、花壇やプランターに植えられている花々が気になります。
色とりどりの花たちを見るだけで十分目の保養にはなりますが、なぜかその名前が気になります。ということは、、ほとんど知らないからですね。
弁解すれば、新種が多すぎるから。子どものころからある「古典的」草花であればある程度わが脳のアーカイブス「植物図鑑」(極めて薄い)にあるのですが。
それに最近の新種は「じゅげむ」ほどではないけれど名前が長すぎて覚えきれません。
「キク」「バラ」「ユリ」「サクラ」「アサガオ」「ナデシコ」など手短にお願いしたい。

それでもそうした公園の草花に名札が添えられていれば、何度か見ているうちに覚えることもできるのでしょうが、それはほんの一部で多くの花は名札無し。

地方自治体の公園課や委託された方々が世話をしているのでしょうが、手書きで結構なので、ぜひすべての花々の前に名札を刺しておいていただきたい。知りたがりの少数派のためにも。

そんななか、またもや気になる花というか「名札」を見つけてしまいました。
それが「サイレンス・イズ・ゴールデン」。
冒頭の写真を見るとわかるように季節外れのようで、花はなく「名札」オンリー。

「サイレンス・イズ・ゴールデン」といえば「沈黙は金」。
イギリスの格言で、「話してしまうより黙っていた方が価値がある、あるいはいい結果に結びつく」というような意味。
よく引き合いにだされる日本の「言わぬが花」とは微妙に違いがあるような気がします。日本の場合は「沈黙」が価値や効果ということではなく、たとえ不利になるとしても、自身の美意識の拠りどころという意味のような。たとえば「粋」とか。「やせ我慢」って言い方もあるけれど。

まぁ、そんな理屈はどうでも、とにかく「サイレンス・イズ・ゴールデン」に反応してしまったのです。

https://youtu.be/CRZ5_TO5W-Y

まさに「ビートルズ前夜」の1963年が「洋楽事始」だったわたしにとってトレメローズの「サイレンス・イズ・ゴールデン」(1967)は60年代ポップス(ロックなんて言葉はまだなかった)のなかでもベスト5に入るほどよく聴いた曲。

遊び惚けていた夏が過ぎ、ようやく涼しくなった頃、メランコリーな気持ちになっていたかどうかは覚えていませんが、突如聴こえてきた心地よい高音とハーモニーに魅了されてしまいました。
トランジスタラジオのヒットパレードでも上位には入ったけれど、とうとうナンバーワンにはなれなかった。そして、すぐにランク外に。季節外れの花火のような短命な歌でした。

https://youtu.be/xe4qk7Mijlo

当時は知りませんでしたが、オリジナルはその4年前にアメリカのフォーシーズンズがリリースしています。なんでも「ラグドール」という歌のB面だったとか。

フォーシズンズといえば日本ではこの曲が知られています。

https://youtu.be/Bn6e-n0b-EM

日本では九重佑三子&ダニー飯田とパラダイスキングがカヴァーしておりました。今でも九重佑三子の代表曲ですが、本来は「男歌」なのですが。いまだにJPOPでは女の子が「ボク」なんてうたってますから、流行歌のジェンダーフリーは昔からの日本の伝統だったようです。

話を戻しまして、「サイレンス・イズ・ゴールデン」のソングライターはキーボードのボブ・ガウディオ。詞はボブ・クルーとの共作。

歌の内容は、元カノがいまつき合っている男が、不実なヤツだっていうことを知っているのだけれども、それを彼女に言うべきか言わざるべきか、と迷っているボクの話。でも、やっぱり「沈黙は金」なのかな、と思っている。というような。

このシチュエーションがはたして「沈黙は金」にふさわしいのか否か、いささか疑問ですが、当時はそんなこと考えませんでしたし。

トレメローズはその後、イギリスでは活動を続けていましたが、ビッグヒットには恵まれなかったようです。

ただ1963年、ブライアン・プール&トレメローズ時代には「ドゥ・ユウ・ラヴ・ミィ」が「サイレンス・イズ・ゴールデン」同様、全英ナンバーワンになっています。「ドゥ・ユー・ラヴ・ミィ」といえば日本ではデイヴ・クラーク・ファイヴですが、彼らも1963年にシングルを発売していますが、こちらは全米30位までだったようです。

https://youtu.be/vnQa5gOaAKI

これもカヴァー曲で、オリジナルはアメリカのドゥワップグループ、コントゥアーズ。

ところで花のサイレンス・イズ・ゴールデンですが、帰って調べるとつるバラ科に属し、下の写真のような薄いみかん色で、やがて黄色になるとか。もちろん薔薇ですから枝にトゲがあるようです。
サイレント・イズ・ゴールデン04.jpg

それにしてもこの花が「沈黙は金」とは。黄色というと何かの歌にあったように「ジェラシー」というイメージがあります。
もしかしたら、「サイレンス・イズ・ゴールデン」の主人公も、「言おうかな止めようかな」なんてかっこつけてるけれど、本当は単に彼女の新しいボーイフレンドに嫉妬しているだけだったりして。

最後にオマケの一曲。
「サイレンス・イズ・ゴールデン」は当時、もちろんレコード盤を買った記憶があるのですが、家のどこを探しても見つかりません。こういう場合はたいてい誰かに貸しっぱなしになっているものですが、もはや追跡不能。

その代わりというのも変ですが、「サイレンス・イズ・ゴールデン」が聴こえていた頃、同じようにヒットパレードの上位に入っていたギリシア映画のサントラ盤がありまして、それもなぜかシングル盤を買い、それが押入れの段ボールの中に入っておりました。
実は、その映画は見ていません。それでも音楽の良さで買ってしまったのです。作曲は「Z」のミキス・テオドラキスだと思うのですが、別の作曲者のクレジットがあるものもあり、不明です。

https://youtu.be/pwPDMs_aOUA

そんなサントラ盤はいくつもありました。映画音楽が映像とは無関係に「独立」していて、ヒットパレードの上位にいくつもランクされていた時代でした。
「さらばベルリンの灯」「いつも二人で」「夕陽のガンマン」「悲しみは星影とともに」「ロシュフォールの恋人たち」などなど。「サイレンス・イズ・ゴールデン」がヒットした1967年の映画です。

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