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話し相手の犬つれて [day by day]

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先日駅の構内で盲導犬と共に歩く女性の視覚障碍者が目にはいりました。

わたしの少し前を歩いていたのですが、その先には10段足らずの小さな階段が。
女性は右手に杖を、左手で盲導犬のハーネスを握っています。この通路と階段は慣れているのか、器用に杖で階段を確認し、昇っていきます。ところが盲導犬が階段の前で躊躇してしまう。よく見ると後ろ足が震えています。女性はそこのことも承知しているようで、なにやら声をかけます。すると盲導犬は躊躇うことなく階段を昇っていきました。ただ、その足取りはスムーズではなく、やはり震えていました。

盲導犬をしつけた(訓練を終えているとしても)女性もたいしたものだと思うけれど、やっぱり盲導犬がスゴイ。
本音を言えば? 階段を上るのは苦手なのでしょう。それを震えながらも主人の意向に従い、本能に抗って教えられたことをやり遂げるのだから感心してしまう。逆に考えるとコワイことでもありますが、それはともかく。

実はこの小さな階段の横に緩やかなスロープがあり、そちらを選択してもよかったのです。
おそらくあの女性はそのことも了解していたはず。それでも階段を選んだのは、「訓練」をしているのだなということに思い当たります。どこにでも必ずスロープがあるとは限りませんし、そのことを考えるのであれば。

まだ、「訓練」途中の盲導犬くんですが、これから何度もこうした階段を昇り、いつか震えずにごく自然の歩調で昇りきることができるようになるのだと思います。

個人的には犬ではなく猫派なのですが、こうしたことでは犬にはかなわない。
といいますか、誰も猫にこうした介添えを期待していない。
そういう意味では猫はほとんど人間の役に立たない。番ネコや警察ネコ、麻薬ネコなんて聞いたこともありませんから。(麻薬ネコみたいなものはあるのかも)

盲導犬や警察犬を否定するつもりはありませんが、そもそもそれらは人間の「勝手」によってできたものですから。
そう言ってしまうと、ペットだって人間の勝手、と言われれば否定はできませんが。
わたしは猫も犬も飼っておりませんが、猫は道端を歩いていたり、屋根の上で寝ているのを見るだけで、なぜかホッとするのです。でも今回は犬。

犬が出てくる歌もそこそこあります。

小坂明子の「あなた」や五輪真弓の「少女」には子犬がでてきますし、たまの「さよなら人類」、佐良直美の「私のすきなもの」には野良犬が出てきます。犬種でいうと中森明菜の「スローモーション」にはシェパード、坂本九の「九ちゃんのズンタタッタ」にはコリーがでてきます。

といろいろありますが、今回は歌謡曲、それも昭和30年代のヒット曲。きっといまなら演歌なんて言われてしまうのでしょうが。

昭和34年といいますから、60年以上昔に流行った歌謡曲で、犬はワンカットしか出てきませんが、その主人との関係が想像できてとてもいい。にもかかわらずこの歌の「主人公」はその飼い主でも犬でもない、というのがまたいい。

https://youtu.be/iHZm-1xDnII

うたっているのは春日八郎。「お富さん」「別れの一本杉」「赤いランプの終列車」などのビッグヒットがあります。
作曲の吉田矢健治は春日八郎では「足摺岬」、「別れの燈台」などがあり、ほかでは三橋美智也の「お花ちゃん」「夕焼けトンビ」、松島詩子の「スペインの恋唄」、バーブ佐竹の「女ごころの唄」が。
作詞はキングレコードのヒットメーカー横井弘。
伊藤久男の「あざみの歌」、三橋美智也の「哀愁列車」をはじめ倍賞千恵子の「下町の太陽」、仲宗根美樹の「川は流れる」ほか、「銀座の蝶」(大津美子)、「虹色の湖」(中村晃子)、「夜霧の滑走路」(三船浩)、「夕焼け雲」(千昌夫)などなど。ほんの一部です。

「山の吊橋」はなかでも好きな歌。
こういうスケッチ画のような歌は最近でもあまり聴きません。まぁ、現代では極々一部にしかウケないでしょうから、まずヒットしない。
そもそもこの歌のような自然が、もはや消えてしまっています。残っていても、それは観光用で、生活の中にあった自然ではありませんから。

吊橋を「主人公」にしたのがおもしろいし、全篇自然描写の中に心に残るオムニバスのドラマがあったり。
YOU-TUBEでは2番がカットされていますが、以下のとおりです。

♪山の吊橋ァ どなたが通る
遠い都へ 離れたひとを
そっとしのびに 村娘
谷の瀬音が 心にしむか
涙ひとふき して通る
ソレ ユウウラユラ

短い言葉の中に長いドラマがあります。
こういつプロの作詞家がいたんですね、昔は。

もう一曲おまけに。
春日八郎もいいですが、やはり男性ときたら女性を。
「山の吊橋」がつくられた昭和34年、横井弘の詞でリリースされたザ・ピーナッツの曲を。作曲は「夏の思い出」や「小さい秋みつけた」の中田喜直。ほんの一節ですが。

https://youtu.be/Jqpew6DeJlo

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