Good morning America how are you? [not mellow AB]
Go Toトラベルは中断のようです。
旅行好きには気の毒なこと、というか割引がなくなるだけで通常の旅行は出かけてもかまわない、というかこの時期大手を振って名所めぐりする豪気な人はなかなかいませんので年末年始の国民大移動も今年はなさそうです。もはや仕事や冠婚葬祭でも遠出することが億劫になってしまっているわたしにとっては、ニヒトノイエスというところ。
旅行するのは腰が重いけれど、列車に揺られながら車窓を眺めることの心地よさは体で覚えていて、瞬間移動できるのなら列車に(新幹線ではなく)乗ってみたいという欲求はあるのですが。ですから「世界の車窓から」はたまに見るともなく見ております。
おそらくこの曲をつくった男も子どものころ、あるいは青春真っただ中で乗った列車がとてつもなく愛おしく思っていたのではないでしょうか。
https://youtu.be/9xzzw0UZebE
はじめてこの歌を聴いたのは70年代も後半の頃。
当時勤めていた会社の先輩とレコードの貸し借りをしていて、ある時借りたジョン・デンバーのアルバムにこの「シティ・オブ・ニューオーリンズ」が入っていました。
https://youtu.be/fF1lqEQFVUo
この曲が知られるようになったのは、1972年、アロー・ガースリィの歌唱によって。その後1985年には代ウィリー・ネルソンがうたってグラミー賞を獲り、さらに浸透していきました。
https://youtu.be/allg6Ajr6PA
歌のタイトルだけみると、音楽のメッカ、ニューオーリンズでの思い出や出来事をうたったものかな、と思いますが実は「シティ・オブ・ニューオーリンズ号」という特急列車の話。アメリカで昔からあるトレイン・ソング。
イリノイ州シカゴからミシシッピーのニューオーリンズへ、つまりアメリカ大陸を北から南へ縦断する列車のことで、イリノイ・セントラル鉄道が1947年から運行をはじめました。1971年に鉄道の経営がアムストラックというアメリカの公社に代わるまで、その雄姿をほこっていました。
現在はこの歌のおかげか、シティ・オブ・ニューオーリンズは夜行列車として復活し、週に3往復走っているのだとか。
歌は特急が月曜日の朝、カンカキー駅を出発するところからはじまり、乗務員やお客さんのこと、さらには車窓からみえる田園風景や街並み、さらには操車場ではたらく人たちや積み上げられたクルマの墓場などを具体的に、主人公である特急列車の視点で紹介していきます。
途中で「おはよう、アメリカ!。調子はどうだい?オレは生粋のアメリカ生まれなんだぜ」
と軽口をたたいてみせるところにこの歌の作者のユーモアあふれる人柄が感じられます。
https://youtu.be/e4ztWNJYFrU
この歌をつくったのはイリノイ州シカゴ生まれのスティーヴ・グッドマンというフォーキー。1971年自身のアルバムのなかでうたっています。
その翌年、親交のあったアロー・ガースリィがカヴァーして小ヒット。
しかし、71年というとシティ・オブ・ニューオーリンズ号が一時的に廃止になった時期。
スティーヴはそのことを知っていたのでしょうか。
もしかすると彼はシティ・オブ・ニューオーリンズが消えていくことを惜しんで、この歌にその雄姿をとどめておこうと思ったのかもしれません。
彼は1984年に白血病のため36歳という若さで亡くなっています。
もちろんその翌年にウィリー・ネルソンが彼の曲でグラミー賞を獲ったことを知りません。しかしその4年後、亡くなった後のアルバム「アンフィニッシュド・ビジネス」でグラミー賞(コンテンポラリーフォーク・アルバム部門)を獲ります。
またスティーヴは大のベースボールファンで、当然ご贔屓は地元のシカゴ・カブス。
熱狂的なファンだったようで、カブスに関する曲をいくつかつくっています。
そのうちの「ゴー・カブス・ゴー」は、ヤンキースが試合終了後シナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」を流すように、カブスも勝利の「祝曲」としてリグリーフィールドに流しています。
ただ、残念なことにこのこともスティーヴはしりません。
https://youtu.be/A9XtDyDUjIU
おまけは2016年のワールドシリーズでカブスがインディアンスを破って優勝したときのスティーヴ、いやファンの歓喜の様子を。日本でもアメリカでもファンは熱い。
https://youtu.be/VPB0UMVTlj8
2020-12-17 17:47
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