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悲しみの雲 [not mellow AB]

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「雲」のさいごは洋楽で。

「雲」で即座に思い起こす洋楽はジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの「雲」Nuage でしょうか。また、ケルト音楽の[Moving Cloud]もカナダのフィドラー、ナタリー・マクマスターで聴いたことがあります。
いずれもインストなので、どのような雲なのかはわかりませんが。

しかし欧米人というのは、日本人ほど「雲」に思い入れが少ないのか「雲」の歌というのはあまり聴いたことがありません。
カントリーでも「曇り」Cloudy はたまにありますが、日本のような「うろこ雲」とか「ヒコーキ雲」とか「ちぎれ雲」とか「あかね雲」といった多様な表現はないのかもしれません。ちなみに「あかね雲」を翻訳ソフトにかけたら[Akane Cloud]でした。あたり前だね。

もっている音源のなかでみつけることができたのは、サイモン&ガーファンクルの「曇り空」Cloudy 。

https://youtu.be/akW2S1HAZvA

青年の不安定な気持ちを曇り空にたとえてうたっています。
空に貼り付いた雲は、死ぬまでそこにとどまるのか、どこへ行ってしまうのか自分にも誰にもわからない、と。

1966年のアルバム「パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム」の中の1曲。「スカボロ・フェア」や「早く家に帰りたい」、「7時のニュース/きよしこの夜」 が入っている3rdアルバムです。

また、この歌は1967年のシーカーズのアルバムでカヴァーされています。

シーカーズはオーストラリア出身のポップグループで、60年代から70年代にかけてアメリカ、イギリスのチャートを賑わしました。

とりわけ日本でもヒットした「ジョージー・ガール」は自国とイギリスでナンバーワンを獲得しています(全米では2位)。

そのシーカーズには「悲しみの雲」the sad cloud という歌があります。

https://youtu.be/fUHdFemGvac

こちらはポール・サイモンのつくる哲学的な歌ではなく、もっとポップな失恋ソングとなっています。

あの太陽は去っていき、理由もなく悲しみの雲が涙を流している。ぼくは立ち尽くし、その雨をただ眺めている……

「曇り空」にしろ「悲しみの雲」にしろ、欧米人は、青空の白い雲というよりは曇った灰色の雲に詩的なものを感じる、また自身のネガティヴな気持ちを託して表現する傾向があるようです。

おまけです。
Cloudには「雲」のほかに、「集団」とか「まとまり」「かたまり」というような意味があるようで、昨今聞く「クラウド・ファンディング」や「クラウド・コンピューティング」などがそんな意味だそうです。そんな歌を最後に。ちなみにストーンズには別れを予感するふたりに覆いかぶさる「雲はいつ晴れるんだい」という歌詞がある全米ナンバーワンヒットの[Angie]悲しみのアンジー もある。

https://youtu.be/qUDMzhlefMs



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