トゥ・ヤング [not mellow BB]
1945年の暑い夏、かの戦争が終わりそれまでの軍国主義的価値観がめでたくご破算となりました。
そして、秋風が吹き、さらに雪の季節が去って、空襲に怯えることのない春がやってくると、食糧難に悩まされながらも、われら日本人の諸先輩の方々の暮しにも、わずかながら本を読んだりラジオから流れてくる音楽をはじめ、浪曲、落語などのいまでいうエンタメに耳をそばだてる余裕も生まれてきました。多分。
そんななか新進的な若者や戦時中我慢していた洋楽ファンは米軍放送(FENの前身)にダイヤルを合わせるようになったり。そこから流れてきたのがまったく新鮮なアメリカのポピュラーミュージック。ダウンロードもYOU-TUBEもない時代、そのポップスとの出会いにどれほど感動したことか。おそらく。
それはともかく、その昭和20年代、日本人にもっとも愛された(聴かれた)外国人シンガーは誰なのかと考えてみました。
統計があるわけではなく、20年代も後半にこの世にオン出たわたしとしては、わかろうはずがありません。
ただ、いろいろな人の当時の本や、その後に書かれた回想録などを読むと、男女ふたりのアメリカ人の名前があがってきます。
女性は「センチメンタル・ジャーニー」でジャズヴォーカルに乗せて戦勝国アメリカのモダンさをストレートパンチでぶつけてきたドリス・デイ。
男性は艶のある低音で「トゥ・ヤング」「プリテンド」「枯葉」などで日本人を魅了したナット・キング・コールではないでしょうか。
ずっとあとですが、わたしも「ラヴ」のシングル盤を買いました。
https://youtu.be/c55s6Kp63X0
「トゥ・ヤング」は1951年に発表された、万国共通いつの時代もという“大人はわかってくれない”ソング。前年の「モナ・リサ」に続いて全米のポップチャート1位になった曲。日本では翌52年(昭和27年)にいちはやく江利チエミがカヴァーしています。(テネシー・ワルツの4カ月後)ちなみに「プリテンド」は柳沢真一がうたっています。
https://youtu.be/EQZQGyRN470
キング・コールはほんとうに日本人に愛されたヴォーカリストであり、ピアニストでした。
キング・コールをきっかけに華麗なるアメリカンポップスの世界を散歩するようになった日本人は少なからずいるはずです。
また、30年代に入ると「カチート」や「キサス・キサス・キサス」などで当時の日本のラテンブームにもひと役買い、2度来日してコンサートを行っています。(夭折しなければ何度も来日したはず)。
https://youtu.be/Ue8dYjjLLjs
そんなキングコールのラテンミュージックに影響されて、こんな歌謡曲も巷に流れておりました。
https://youtu.be/eeq2YSm64G8
2020-09-15 21:07
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