アメージンググレイスは誰のもの [sacred song]
https://youtu.be/iT88jBAoVIM
テレビから「アメージンググレイス」が流れてきました。
CMにつかわれがちの曲なので、さほどめずらしくはないのですが、このときはニュースショーのなかで。昨今世界的ニュースとなっている「黒人差別」の問題に関連してのもののようです。
日本でこの歌が知られるようになったのは70年代(80年代?)のTVCMによってではなかったでしょうか。
その後、白鳥英美子や本田美奈子らがうたって、日本でもよく知られる歌となりました。
アメリカでは古くから知られた讃美歌で、70年代はじめにジュディ・コリンズがアカペラでうたって再注目されました。
個人的には80年代だったか、NHKの番組で知りました。アメージンググレイス誕生物語というような番組で、その成り立ちを名曲とともに紹介していました。
きれいな曲だとは思いましたが、作詞をしたのがイギリスの奴隷商人と知ってびっくり、その後彼は牧師となり、この歌をつくったと。
そのことがどうしても引っかかって、その後も気になる歌となりました。
その番組で紹介されてのものか、あるいはその後、なにかの本で読んだのかは定かではありませんが、作者が元奴隷商人という理由で、アメージンググレイスをうたわないアフロ系アメリカ人がいるのも事実だそうです。
また近年では教会の結婚式でもよくうたわれるそうで、わたしも何年か前、知り合いの子息の結婚式でうたわされ、いやうたいました。信者じゃないけど。
このうたを葬式や鎮魂の歌と思っている人もいるようですが、それだけとは限らないようで、キリスト教信者の結婚式や集会でもつかわれているようです。
ただこの歌は讃美歌であり、それ以上でも以下でもなく、あくまで神への感謝や懺悔の思いを伝える歌なのです。つまり、最近のニュースに関連付けた博愛主義あるいは反人種差別を象徴する歌ではないということです。少なくとも作詞者はそういう思いでつくったのではないでしょうから。
まぁ、うたう人、あるいは聴く人がそういう思いでうたい聴くのであれば、それはそれで自由なのですが。トランプさんだってうたうでしょうし。多分。
過去にみたアメリカ映画のなかで、KKK(クー・クラックス・クラン)のメンバーが集会でこの「アメージンググレイス」を斉唱するシーンを何度か観ました。
歌に罪はなく、その歌を誰が、いつ、どこでうたうのかによって、その歌のもつ意味が変わってくるということもありますしね。
これ以上続けると、日本の「軍歌」を含め、歌の社会性に発展していってしまいそうなので、今回はこのへんで。
最後に、個人的に讃美歌や聖歌は好きな方なので、アメージンググレイスを聴くと雄大な空と自然のにおいが満ち溢れてきて、けっして三角白頭巾の映像が浮かんでくるわけではないことは言っておきます。
昔よく聴いたのは、ジュディやナナ・ムスクーリですが、竹原ピストルもうたってますし、男の「アメージンググレイス」もいいですね。ゴスペルシンガーのこの人の歌もHow Great Thou Art ともどももよく聴きました。
https://youtu.be/j6qDv5e0FV0
2020-06-08 18:31
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